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立体造形や彫刻はその場所に作品があることによって、周囲に様々な影響を与えている。今回のワークショップでは種類の違う立体をいくつか作り、様々な場所に配置してみることで立体の見え方の違いを体験していく。
立体作品の特性について、平面作品との違い、周囲に及ぼす影響(立体をそこに置くことで周囲の印象、雰囲気も変わる)など説明する。
はじめの課題として「3つの種類の違う立体」を制作する。バリエーションの違いではなく、完全に違う種類であることを説明し、後は参加者に考えをゆだね制作してもらう。
小さな塊を合わせたり、大きな塊を削ったり、具体的に見えるものにしたり、抽象的に見えるものにするなど、様々な解釈の作品が作られた。
「3つの種類の違う立体」を制作した中で、同じ質量の粘土の作品でも重く見えたり軽く見えたりすることがわかった。その点を踏まえ次の課題では「重く見える立体、軽く見える立体」をテーマに制作した。小さな塊をつなげて構成する参加者、表面にマチエールをつけて軽さを表現する参加者など、様々なアプローチの作品が完成した。
1日目の作品制作を終え、体験した「種類の違い」「重さ、軽さ」といった観点を主にエントランスホール、佐藤忠良記念館内の作品を参加者全員で鑑賞した。その後創作室に戻り2日目の活動について説明し、1日目が終了した。
2日目の最初の課題でははじめに創作室の中やテラスなどから、作品を置く場所を参加者が決め、そこに合わせた立体を制作し設置した。完成後一つ一つの作品を全員で見て回った。空間を含めた作品となるので、粘土板の上で制作していたときとは全く印象の違う作品になることに参加者は気づいていった。
2日間の最終課題は創作室前の廊下に展示台を置き、そこにあった立体を制作する。あらかじめスタッフが参加者分の数の展示台を廊下周辺に構成して配置し、どの場所にするかはくじ引きを引いて決めた。参加者は展示場所の雰囲気、採光などを観察し、制作を行った。
できあがった作品を参加者全員で鑑賞していく。多くの目で見ると、作者の考えとは別の感じ方をする人もいた。また、各場所の展示は、さながらミニ展覧会のようにも見え、充実した鑑賞の時間となった。
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