ここから本文です。
土は、古代からものづくりや表現の素材として使われてきた。
このワークショップでは、身近なものでもある土を素材として見直してみる。
一日を通して触覚を重視するため、導入として自分の指と指を合わせ、触った感触を味わう練習をした。
土といってもさまざまな状態、性質のものがある。
最初の活動は、美術館北庭で、いろいろな土を探す。
参加者各々、気に入った土を紙コップに採取してくる。
気をつける点は、コップ1杯にできるだけ同じ性質の土を入れてくること。
採取したものを並べてみると、色の濃さや湿り具合、触ったときの感触など違いがある。
触って確かめたりしたあと、似た性質のものをまとめて、3種類の土として採取した。
美術館を出て、広瀬川へと向かう。道中、さまざまな土を観察したり、採取したりした。
川原へ到着したら、採取した土をふるいにかけて粒の大きさを整え、水を加えて練る。
水を加えると、それぞれの土はまた違った姿を見せる。
泥団子のようにまとまる腐葉土、いくら握ってもまとまらない砂の集まりなど、性質や感触の違いを味わった。
可塑性があり焼くと固まる粘土は、土を使ったものづくりの基本的な素材の一つだ。
午後は粉状の土粘土に水を混ぜて練り、粘土の塊を作ることを試みた。
午前中、さまざまな土を観察したり触ったりしたが、粒子の細かい粘土の粉はまた違う。
ふわふわの粉の山に手を入れると、液体の中に手を入れたような、吸い付く感じがする。粉粘土で作った土手に水を入れ、じっと見てみると粘土が水を吸っていく様子が見られる。
混ぜると、次第に泥のようになってくる。
「お肌がすべすべになりそう」なんてつぶやきながら混ぜる参加者たち。
※粉粘土から粘土を作る際、一晩かけて水を吸わせるのが一般的だが、このワークショップでは手で混ぜることで短時間で進めている。
全体をよく混ぜ合わせ、手で混ぜ合わせたり踏んだりする。
小分けにしてからまとめていくと、だんだんと土粘土の塊になる。
最後に作った粘土を使って、床からどれだけ高く伸ばせるかチャレンジ。
小さくちぎって貼りつけながら、先を細くして高さを出した。
粘土の自重により、細くした部分が曲がって倒れたが、その様子に粘土の可塑性を体感することとなった。
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
こちらのページも読まれています
同じカテゴリから探す