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最初に「ワークショップ」というのがどういうものか説明。
ワークショップは多様な複数の参加者で成り立つ。そのため、個人のイメージに閉じこもらずに、お互いに利用できるものを出し合い、一人では気づけないところまでいく。
最終成果の有り様は最初に決めないし決まらない。また、みんなでやっていても、最後は個人にもどる。そこでは様々なものが生まれ、一つには収れんしない。
今回の「コラージュ」についての説明。
コラージュと「貼り絵」の違い。貼り絵は、紙や布などを普通の描画材(絵の具)のように使う。そこではイメージや世界観の変化はあまり問われない。コラージュは、一つ一つの素材が生み出すイメージが対立融合して作品の文脈や意味、世界が変化する。その時、個々のイメージや素材の選択は、それまでの文脈や作者の好みや趣味などによるのではなく、つまり個人の美意識でコントロールしないし、できない。なので、何かを再現するというよりは、頭の中のイメージ(心象)の変化、頭の中の出来事(事件)を形にし、コラージュは個人のイメージに限界づけられずに変化していくことこそが目的。
1日目はコラージュに向けての様々な練習をしていく。
各自持ってきたコラージュの素材(3種類)を机に出す。持ってこなかった人は用意されていた素材の中から選んで持って行く。
3種類の素材を確認した後、隣の人に自分が持ってきた素材を渡す。
受け取った素材を観察する。
各々の素材から感じられるイメージや持ち味を言葉にして10個ずつ紙に書き出す。
その言葉から連想するイメージをあげ、列を変えて書き足す。
それぞれの言葉を自分の性と異なる性を感じさせる言葉に置き換えイメージの変化を楽しんでみる。
(参考 http://www.pref.miyagi.jp/site/mmoa/education-education-08-2017-11.html(活動の記録「探す・イメージ 呼ぶ・イメージ」))
イメージマップについて大きな白い厚紙を配布し、イメージマップを作る土台を制作していく。
白紙の厚紙を横にして見つめ、その広がりに感じられる言葉(イメージ)を黄色いペンで書く。
次に今そこに書いた言葉に緑色のペンで形容詞を20個書き足していく。
書いたものを隣の参加者に渡す。
各人が午前中に書いた素材のイメージ言葉を、渡された用紙にすでに書かれている言葉に関連づけて画面の中に書き込む。書きだしていた言葉はできるだけ使う。その後書いた紙を元の人に戻す。
トレーシングペーパーを配布する。自分が今まで書いてきた言葉を使い取捨選択して写し取りイメージマップに構成していく。さらに紙の上に言葉に合う材料を合わせて置いたり重ねたりしながら構成していく。
何度かやりなおしながら、言葉とその広がりや位置を物や画像が持っているイメージに置き換えて、丁寧にイメージマップ化を行っていく。イメージが希薄になっているところにどうイメージを作り出していくか。
最後にみんなで見て、質疑応答。
翌日使うコラージュの支持体について考え持ってくることが宿題となる。
1日目の活動は主に素材からイメージを紡ぎ出した。2日目の午前中は自分の素材を実際に使っていく。
各自持ってきた支持体はいったんしまい、素材を卓上に並べ構成していく。
構成がいったんできたならば、立って眺めたり、離れて眺めてみたりして、印象を確認する。
取っても作品が変化しない素材があれば外してみる。
構成した素材の中に別の素材を持ってきて、作品が正反対の意味になるように構成(コラージュ)する。制作途中のある瞬間に自分の作品の文脈を壊してみる事が大切。
隣の人に見てもらい、自分の構成の解説をしてもらう。
いよいよ各々の支持体を決め、その上にコラージュしていく。どういう支持体でもかまわないが、講師から鉄や、立体的な支持体も紹介し、できればチャレンジして癖のある素材を使うように勧める。
参考資料にピカソやラウシュエンバークなどのコラージュ作品の図録や作品集を提示。
各自作業を続ける。ビニールの袋を使う人や、創作室内のものを使いコラージュを追加していく人など、皆意欲的に制作を行う。
各自1時間かけてコラージュをいったん完成させる。
一つ一つ自分の作品を解説し、全員でみていく。
全員の作品を講評後、ランダムに選ばれた古本を1冊ずつ渡す。
ここまでの作品に古本を加え、全体を再構成する。配置や構図では無く、意味のレベルで再構成を試みる。
思いがけず、それまで制作していた作品の世界観に合致した本が当たった方が多かった。
とにかく全体のイメージを変化させ動かしてみる。
質疑応答をしながら、あり得る可能性に思いをはせ、終了。
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