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掲載日:2019年1月10日

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ワークショップ活動の記録「高校生ワークショップ-陰影をポイントに油彩画を描く-」

「高校生ワークショップ-陰影をポイントに油彩画を描く-」

  • 日時:2019年8月10日(土曜日)、11日(日曜日) 午前10時~午後3時30分
  • 場所:創作室2
  • 担当:鈴木雅之(当館教育普及部職員)、大嶋貴明(当館教育普及部学芸員)
  • 参加者:1日目22人、2日目22人

油彩画制作の経験が少ない、もしくは初めての県内高校生を対象に、じっくり計画的に油彩画を描いてみるワークショップである。まだ、自分の油彩画用具を持っていない高校生にも参加可能なように様々な準備をおこなった。また、複雑な制作プロセスでとまどわないために、アルキド樹脂絵具を下地として活用した。白と黒の絵具で陰影を中心に描写を進め、その上に、有彩色を重ねて描く描法をとった。2日間と時間が限られるため、キャンバスのサイズは45.5cm×38cmとし、1日目の陰影描写はアルキド樹脂絵具(油絵具よりも速乾性)。2日目は油絵具による油彩とした。

1日目 8月10日(土曜日)

10時00分~10時30分 イントロダクション

形態が明解で質の違う物を組み合わせた静物モチーフを6セット、卓上に置き、1セットあたり、3から4席を準備した。参加者は、来た順番に思い思いの場所をとっていく。多くは美術部員であるが、油彩画を描いたことのある参加者は少なかった。
スタッフから、2日間の予定、1日目の目標、絵具の使い方、陰影について説明。

ワークショップの様子1 ワークショップの様子2

10時30分~12時00分 制作を始める

モチーフはレモン、瓶等だが、普段の制作でこのようなモチーフを描いている参加者は少なく、とまどいも見られた。構図を決め、鉛筆などで形を取り始める。形がとれた参加者から、アルキド樹脂絵具の黒をペーパーパレットに出し、水で溶いて濃度を変えることで、明暗の調子をつけ、描写を進める。アルキド樹脂絵具の白を不透明に使い、明るいもしくは白い部分に絵具の厚みをつけながら黒の濃淡から変化をつけていく。参加者の数人は、白と黒を混合して、グレーの段階をつくり面の強い絵を描いていた。
観察の補助として、同じ視角で撮った、モノクロの写真を使った。

ワークショップの様子3 ワークショップの様子4

13時00分~15時00分 陰影の描写

スタッフのアドバイスを受けながら、陰影による描写を進めた。濃淡による物の描写が進むことで、雰囲気が確実に上がっていた。
一日目は、陰影描写が完成したのは2名ほどで、大多数は二日目に持ち越しとなった。

ワークショップの様子5 ワークショップの様子6

2日目 8月11日(日曜日)

10時00分~11時00分 オリエンテーション~制作(続き)

1日の予定と油絵具を使っていくための諸点(ペインティングオイルの使い方、筆洗の仕方等)を説明。その後、引き続き制作に入った。陰影描写の段階が十分になった参加者から、自分の油彩用具を使う、もしくは、準備された用具や材料を使って、色を表現していく段階に入っていく。

ワークショップの様子7 ワークショップの様子8
ワークショップの様子9

11時00分~12時00分 油彩絵具や道具の確保

初めて油彩を使っていく参加者は、色数の多い油絵具を前にして、楽しい戸惑い。スタッフのアドバイスも参考にしながら、パレットに使用絵具を並べる。描いている席と道具・材料置き場となんども往復しながら、描いていくことで油絵になじんでいく。
なお、今回、溶き油は速乾性のペインティングオイル(調合されたもの)を使用した。

ワークショップの様子10 ワークショップの様子11

13時00分~15時00分 油絵具による色彩を使った制作

午後はそれぞれのペースで制作が進んだ。その中を、スタッフがアドバイスしていく。参加者のアルキド樹脂絵具で描いたモノトーンの作品は油絵具を半透明に重ねていくことで陰影を生かしながらも、作品は鮮やかに色づいていく。

ワークショップの様子12 ワークショップの様子13

15時00分~15時30分 作品をみる

時間いっぱいまで描き、ほぼ完成に近づけた作品や、もう少しの作品も全て並べ、各人の問題意識をもとに対話形式で講評を進めた。同じ制作方法で描いた作品でもそれぞれの持ち味が発揮され、個性あふれる作品となった。各作品の良い点を特に認め、参加者の以後の制作に生かせるようアドバイスし、終了した。

ワークショップの様子14

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