ワークショップ|活動の記録「コレクションから:佐藤忠良 塊の変貌」
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ワークショップ「コレクションから:佐藤忠良 塊の変貌」
- 日時:2017年8月19日(土曜日)10時~16時
- 場所:創作室1、佐藤忠良記念館
- 担当:嶋貴明(当館教育普及部学芸員)
- 参加者数:15名
10時~ イントロダクション(創作室)
彫刻や立体表現の特質とその鑑賞(の難しさ)について、塊を認識すること、観察と触察の差、「見る」ことと「さわる」ことで変化するものを体験できるかどうかなど、ワークショップの軸を話す。
参加者の自己紹介を兼ねて、好きな彫刻作品(佐藤忠良、それ以外の作家)や参加者自身と彫刻のエピソードなど「彫刻について何を思うか」を話す。
- 好きな彫刻家:ロダン/ミケランジェロ/舟越保武&桂の父子等
- 佐藤忠良作品体験:帽子で顔を隠しているところが好き/《群馬の人》等
- 彫刻への思い:彫刻はよくわからない、なので参加/彫刻はどうやって作っているのか。
10時30分~ 鑑賞(佐藤忠良記念館)
- 彫刻家がどのように塑像の作品を制作していくか、簡単に話す。
- 「なぜ、胸像でなく頭像か?」は、このワークショップでも重要な部分。
- 彫刻は色々な方向から見るものだが、佐藤忠良の作品は正面や側面から見ると良く見えるかもしれない。
- 彫刻は、重い素材で作るけれど「軽さ」を表現したり、硬い素材で作るけれど「やわらかさの変化」など、絵画とは違った不思議さがある
- ブロンズ彫刻ではモティーフの固有色はつけられていない。(のはなぜだろうか。)
11時30分~ お話(創作室)
佐藤忠良の粘土による短時間の人体像制作の連続写真をみる。
クロッキー的に造られ、そのため粘土塊が一瞬にして人体に見えることがわかりやすい。
13時~ 粘土を練る(創作室)
5分程度粘土を練る。使いやすい かたさ(粘度・なめらかさ)が必要。
13時05分~ 塊で表現する練習
- (1)3cm×5cm×20cmくらいの円筒をつくる。
- (2)円筒に「前後(裏表)」を作るように形を変化させてみる。
- (3)1分でこの円筒を「腕」にする。
→半分に切って「表」面を90度回転させると腕に見える。
- (4)さっきよりも細めの円筒形に戻す。今度は「脚」にする。
→半分に切って表と裏で上下にずらしななめにくっつける。
- (5)8cm×15cmくらいの短めの円筒形を「胴体」にする。
→ひねると胴体に見える。
- (6)2~3のパーツから胴体をつくる。
- (7)10cm直径くらいのお団子をつくる。2分で「頭蓋骨」にする。
塊を触って見る練習
手を洗って、アイマスクをして、ある「2つのもの」を触ってみる。
(2つのもの=石2個、それぞれは形状や肌触りが違う。参加者は石と伝えられていない。)
アイマスクをしたまま、粘土で塊の形をつくってみる。
15時~ お話
佐藤忠良作が胸像でなく頭像をつくることについて。頭部の持つ塊としての強さ。または塊の原形の一つとしての頭部(頭蓋骨)。/彫刻(塊)での表現とは何か。
15時10分~ 展示室へ
アルプの《葉のトルソ》をみる。
四方から見る必要のある作品。
(この像をつくる塊に裏表があり、かつ、台座まで含めると4つのパーツになる。それらが組み合うことで、みる方向でのみえかたの変化が大きい)
15時30分~ 触察(佐藤忠良記念館)
佐藤忠良作品《うれ》《ユイ》の触察。
撫でるだけ(表面のテクスチャを味わうだけ)では意味がない。両手を使い、包み込むように触れることで、塊を感じ取る。
16時~ 再び作品をみる
午前中見た作品を中心に各人のペースで見直し終了。