農業早期復興プロジェクト/現場に適した技術開発による産地の復興支援/産地復興に向けた新たな技術等の開発/少量培地栽培技術の開発(トマト)
(農園研 園芸栽培部)
亘理地域から石巻地域にかけては,イチゴやトマトなど施設野菜の大産地であり,県産出額はイチゴ60億円,トマト21億円であり,地域経済に与える影響も大きくなっています。
今後,短期間で園芸作物栽培を再開したい農家も多いのですが,安定した施設栽培を行うためには,除塩対策を十分に行うことが重要であり,また,当面の対策として塩分を含んだ土壌から隔離した低コスト少量培地培地栽培技術を導入することが必要となります。
試験・調査概要
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- 1)供試品種
「桃太郎はるか」,麗容」,「富丸ムーチョ」
- 2)試験区
- (1)プラ鉢を使った簡易養液栽培
- (2)宮城型養液栽培(発泡スチロール)
- 3)耕種概要
- (1)試験場所:農業・園芸総合研究所 鉄骨ハウス
- (2)試験規模:1区 20株 1反復 (3)耕種概要
- 播種:2011年7月25日,鉢上げ:2011年8月12日
- 定植:2011年9月2日
- 施肥:培養液 EC0.8~1.2ds/m,大塚A処方,1日5~8回給液
- 栽植様式:うね幅:200cm,株間:ポリ鉢20cm,宮城型15cm
試験・調査状況(結果)
- トマトの生育は,宮城型栽培と比べ,プラ鉢栽培では草丈が短く,第2果房直下の葉長や茎径がやや劣る傾向がみられます。
- トマトの収穫開始は,宮城型栽培に比べ,プラ鉢栽培ではやや遅くなっています。
- プラ鉢栽培では,培地の乾湿の差が大きくなり,尻腐れ果の発生がみられますので,給液回数の検討,乾湿の差を少なくしたり湿度を高くする工夫が必要と考えられます。
(平成24年1月13日掲載)
【トマトのプラ鉢栽培】
プラ鉢
宮城型