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(農園研 情報経営部)
津波被害農地は約12,500ha(内,畑地は1/5)にのぼり,現在,農地災害復旧事業,除塩事業等によって,農地災害復旧が進められ,過去の被害時の事例等を参考として,土壌の除塩作業が急ピッチで進められています。しかし,施設園芸産地(亘理・石巻等)では,地下水(井戸水)の塩分濃度が高いことなどから,土壌の塩分濃度が低下しても栽培に必要な用水の確保が困難となっています。
現地では,用水の確保のため,使用できる井戸の確保,貯水槽の設置,毎日の水汲み作業など大変な作業が続き,支援物資として導入された浄水機も砂や有機物が詰まる等のトラブルも発生しています。
貯水槽の設置
毎日の水汲み作業
支援物資の浄水機
そこで,栽培用水確保のため,逆浸透膜※浄水装置等の導入による地下水除塩効果の確認及び効果的な利用法について検討しています。
※逆浸透膜とは・・・浸透膜に仕切られた水溶液は濃度の低い方から高い方に水分子が自然に浸透しますが,濃度の高い方に圧力をかけることで,水分子だけを浸透させる(逆浸透)ことができます。それに用いられる膜が逆浸透膜です。孔がの大きさが概ね2nm以下の膜で,水分子だけを透過し,無機塩類や細菌などの不純物を透過させません。
濃度の高い食塩水側に圧をかけると,水分子が濃度の低い真水側に移動します。
【試験・調査概要】
イチゴ現地農家において,地下水の塩分濃度が高く使用できない場合の逆浸透膜浄水器の導入による用水確保について検討しています。
【試験・調査状況(結果)】
(平成24年3月29日更新)
亘理山元地区水質調査(東北農政局調査)
震災後,EC(塩分濃度)が上昇
逆浸透膜浄水機を導入した地下水除塩システム(簡易図)
設定:1時間45分稼働,15分休憩(内15秒フラッシング)
○EC,pH,Clイオン,Naイオンの推移
排水を原水にもどす体系(12月17日~27)により急激に原水のEC等が上昇,12月28日より排水路に変更し安定
○浄水機の能力
温度の低下とともに処理能力が低下
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