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(古川農業試験場 水田利用部)
津波被災農地の復旧において問題化する可能性のある雑草種を特定し,適切な農地管理や防除法提案のための基礎的知見を得るため,本年度は被災農地の実態解明として除塩対策圃場における残草状況や泥土堆積圃場における雑草植生について調査しています。また,各雑草種の耐塩性の比較や塩分存在下での除草剤の効果・薬害変動の有無について塩害モデル試験により検討します。
雨よけハウス内に設置した30cm×40cm×12cmのバット内に場内水田土壌を充填し,NaCl含有量(乾土比):0,0.1,1.0%相当の海水を加え代掻きを行った床土に,イネ(稚苗・カルパーコーティング籾)と各種雑草(塊茎:ウリカワ・ミズガヤツリ・オモダカ・クログワイ・シズイ・コウキヤガラ,茎葉:セリ・イボクサ)を移植・埋め込み後,経時的な生育量(草丈・茎数等)の変化を調査。
移植日:5月20日
1)と同様に準備したNaCl含有量0,0.1%のイネ・各雑草種置床バットに対し,ノビエ2.5葉期(6月7日)にイマゾスルフロン・ピラクロニル・ブロモブチド水和剤(商品名:バッチリ・フロアブル)を規定量散布し,経時的に殺草効果とイネの薬害の発症状況を調査。
(平成24年1月13日掲載)
被災水田における雑草発生
イヌビエ・シロザの繁茂(7月21日)
コウキヤガラの繁茂(8月1日)
アレチウリの発生(8月8日)
雑草の生育,除草剤の効果・薬害への海水の影響
海水添加による各草種生育量の変化 ※耐塩性はホタルイ・コナギ・ミズガヤツリ等で高く,シズイ・イボクサ等で低い。
除草剤処理による各草種生育量の変化 ※除草剤の効果・薬害に影響ないが直播イネの出芽は抑制
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