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掲載日:2016年4月8日

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普及に移す技術第91号/第91号参考資料4

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参考資料(平成27年度)

分類名〔水稲〕

出穂後30日以降落水による水稲玄米品質の向上

出穂後30日以降落水による水稲玄米品質の向上(PDF:175KB)

宮城県古川農業試験場

1 取り上げた理由

宮城県の水稲うるち玄米における1等米比率は,東北地域の中では低く,品質の落等要因は年次により異なるが,主に充実度不足である。宮城県の稲作指導指針(基本編:平成20年2月発行)では,昭和時代のデータ等を基に出穂後の落水適期を出穂後25日頃としているが,近年はほ場の基盤整備普及や暗きょ排水機能の強化技術(普及に移す技術第83号)等により,排水性が向上している。しかし,農業生産現場では作業性等を重視し,出穂後25日以前から落水しているほ場が多い状況にある。そこで,出穂後の水管理による品質向上等について検討したので,参考資料とする。

2 参考資料

  • 1)出穂後の水管理は,「出穂後30日間の間断かんがい」もしくは「出穂後10日間湛水し,30日まで間断かんがい」を行う方法で,整粒歩合が高く,同程度の品質が得られる(図1)。
  • 2)落水時期を出穂30から40日後に実施することで,整粒歩合80%以上の品質を得ることが可能となる(図2)。
  • 3)落水時期の違いによるほ場の土壌水分は,落水時期を遅くするほど高く維持され(図3),収穫機械の稼働が可能と判断される地耐力は,出穂後30日に落水した場合では,出穂後40日から可能である(図4)。
    水稲管理法別の積算平均気温と整粒歩合のグラフ
    図1 水管理方法別の積算平均気温と整粒歩合(平成26年)

3 利活用の留意点

  • 1)品種「ひとめぼれ」を古川農業試験場内の灰色低地土で5月10日頃に移植し,平成24年の秋に暗きょ籾殻を施工したほ場で実施した。
  • 2)ほ場条件や気象条件によっては,出穂後30日に落水処理を実施しても,十分な地耐力が得られない場合があるので,状況に応じた対応が必要である。

(問い合わせ先:宮城県古川農業試験場水田利用部 電話0229-26-5106)

4 背景となった主要な試験研究

  • 1)研究課題名及び研究期間
    主要農作物高位安定生産要因解析事業(平成24~26年度)
  • 2)参考データ
    落水時期別の整粒歩合のグラフ
    図2 落水時期別の整粒歩合(平成24~26年)
    落水時期別土壌水分の推移のグラフ
    図3 落水時期別土壌水分の推移(平成24年)
    落水時期別地耐力の推移のグラフ
    図4 落水時期別地耐力の推移(平成24年)
  • 3)発表論文等
    • a 関連する普及に移す技術
      暗渠籾殻(疎水材)の簡易開削充填機「モミタス」の開発(第83号普及技術)
    • b その他
      • a)平成25年度稲作指導指針
      • b)平成26年度稲作指導指針
      • c)菅野博英・猪野亮・佐藤泰久・日塔明広(2015),水稲栽培における登熟期の水管理の品質への影響,東北農業研究第68号,p17-18
  • 4)共同研究機関 なし

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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