普及に移す技術第91号/第91号参考資料13
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参考資料(平成27年度)
分類名〔病害虫〕
オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の発生状況
オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の発生状況(PDF:369KB)
宮城県古川農業試験場
1 取り上げた理由
オリサストロビン剤は,病原菌の呼吸を阻害するストロビルリン系薬剤(QoI剤)の一種である。本剤は,いもち病・紋枯病に対する効果が高く,育苗箱処理剤が流通開始した平成19年から本県内の水稲作でも広く普及してきた。一方,本剤は耐性菌発生リスクが高いことから,当初より連用しないことなど使用法について注意喚起するとともに,耐性菌の発生状況を調査してきたところ,本剤に対して耐性を持つイネいもち病菌が確認されたことから,その状況を報告し,耐性菌の分布が明らかになったので参考資料とする。
2 参考資料
- 1)平成21年から実施してきたモニタリングの結果,オリサストロビンを有効成分とする育苗箱処理剤を使用していたほ場において,平成26年に県内で初めて耐性イネいもち病菌が確認されている(表1,図1)。
- 2)平成27年には,平成26年以降も本剤を継続して使用した地域を中心に発生の拡大が確認されている(表1,図1)。
3 利活用の留意点
- 1)本剤の耐性菌は,県内広範囲で確認されており,他のQoI剤(表1)に対しても耐性を示す(交差耐性)ことから,平成28年産より水稲対象のQoI剤は使用しないことが望ましい。
(問い合わせ先:宮城県古川農業試験場作物保護部 電話0229-26-5108)
4 背景となった主要な試験研究
- 1)研究課題名及び研究期間
農作物有害動植物発生予察事業(平成21-27年度)
- 2)参考データ 以下のとおり

表1 年次別耐性菌検定結果

図1 宮城県内におけるオリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の確認状況

- 3)発表論文等
- a 関連する普及に移す技術
- a)オリサストロビン剤(商品名:嵐箱粒剤,嵐粒剤)のいもち病,紋枯病に対する効果(第82号普及情報)
- b その他
なし
- 4)共同研究機関
- なし
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