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掲載日:2016年4月8日

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普及に移す技術第91号/第91号参考資料21

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参考資料(平成27年度)

分類名〔病害虫〕

イチゴのナミハダニに対する殺ダニ剤の効果

イチゴのナミハダニに対する殺ダニ剤の効果(PDF:186KB)

宮城県農業・園芸総合研究所

1 取り上げた理由

ナミハダニは増殖が早く,また薬剤抵抗性の発達から園芸作物における重要な害虫となっている。県内のイチゴ栽培圃場においては,ハダニ類対策としてカブリダニ類(チリカブリダニ,ミヤコカブリダニ)や気門封鎖型薬剤の導入が進んでいるものの,IPM体系においては殺ダニ剤も重要な防除手段の一つと位置付けられる。そこで,県内のイチゴ栽培ほ場から採取したナミハダニに対する各種殺ダニ剤の効果を検討し,その効果が明らかとなったので参考資料とする。

2 参考資料

  • 1)殺成虫活性について,県内7地点(山元町2,亘理町3,名取市1,石巻市1)から採取したナミハダニを検定したところ,採取地点によって効果に大きな差がみられ,全ての採取地のナミハダニに高い効果を示す薬剤はみられない。カネマイトフロアブル,マイトコーネフロアブル,トクチオン乳剤,アファーム乳剤は,採取地点によっては比較的高い効果がある(表1)。
  • 2)殺卵活性について,県内4地点(山元町1,亘理町1,名取市1,石巻市1)から採取したナミハダニを検定したところ,カネマイトフロアブル,コロマイト乳剤,アファーム乳剤は全ての採取地のナミハダニに対して高い効果がある。マイトコーネフロアブル及びダブルフェースフロアブルには採取地によっては比較的高い効果がある(表2)。

3 利活用の留意点

  1. 今回確認した効果に関わらず,さらなる感受性の低下を避けるため,同一剤の使用は年1回とする。
  2. イチゴ栽培においてはカブリダニ類が普及しているが,今回高い効果がみられた薬剤のうち,天敵に対する影響が少ないとされるものは,カネマイトフロアブルとマイトコーネフロアブルのみである。
  3. カネマイトフロアブルは,イチゴ葉に薬害を起こす場合があることが知られている(図1)。
    図1カネマイトフロアブルにより生じた薬害
    図1 カネマイトフロアブルにより生じた薬害

(問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所 園芸環境部 電話 022-383-8246)

4 背景となった主要な試験研究

  • 1)研究課題名及び研究期間
    病害虫検定対策診断事業(平成27年度)
  • 2)参考データ
    ナミハダニ雌成虫に対する殺ダニ剤の効果の表
    表1 ナミハダニ雌成虫に対する殺ダニ剤の効果
    ナミハダニ卵及びふ化幼虫に対する殺ダニ剤の効果の表
    表2 ナミハダニ卵及びふ化幼虫に対する殺ダニ剤の効果
  • 3)発表論文等
    • a.関連する普及に移す技術
      • a.気門封鎖型薬剤によるイチゴ親株でのハダニ類防除(第90号参考資料)
  • 4)共同研究機関
    なし

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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