普及に移す技術第91号/第91号普及情報4
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普及情報(平成27年度)
分類名〔経営〕
収穫補助機を用いた加工用トマトの導入を検討するための経営試算シート
収穫補助機を用いた加工用トマトの導入を検討するための経営試算シート(PDF:173KB)
宮城県農業・園芸総合研究所
1 取り上げた理由
近年,生活スタイルの変化に伴い食の外部化が進展し,野菜の需要は加工・業務用野菜が家計消費用を上回り,全体の6割を占めているものの,国産の割合は減少傾向にある。加工・業務用野菜の需要が高まり,国内産の供給拡大に期待が寄せられていることもあり,産地化へ向けた動きを強化する必要がある。そこで,収穫補助機を用いた加工用トマトを導入する際の経営試算シートを作成したので普及情報とする。
2 普及情報
- 1)「収穫補助機を用いた加工用トマトの導入を検討するための経営試算シート」(以下,経営試算シートという)は総括・技術体系(表1),収支算定表(表2),機械施設費等(表3)の3シートで構成されている。資材や数値等は栽培経営体の現地データなどを入力している。
- a シート1は,総括・技術体系であり,作物名,目標収量,作型,作業内容,労働時間,使用資材,使用機械及び時間などが記載されている。
- b シート2は収支算定表であり,シート1に記載された資材や機械を使用した場合の粗収益,経営費及び農業所得などが記載されている。
- c シート3は機械・施設費等一覧であり,シート2の収支算定表のその他の諸材料費,租税公課及び諸負担,建物及び施設費,農機具費のデータに反映される。
- 2)事前に入力されているデータは以下のとおりである。
- a 加工用トマトの作型は,5月中旬頃定植,収穫期間は8月上旬から9月上旬頃までである。
- b 労働力は,基幹農業従事者1名,補助従事者6名である。
- c 加工用トマトの専用機械は,収穫補助機のみである。
- d 目標収量6,000kg/10a,販売単価(参考)44円/kg,粗収益285千円で,経営費は176千円,農業所得は108千円,10a当たり労働時間は162時間である。
- 3)経営試算シートは,平成13年3月宮城県産業経済部発行の「宮城県営農基本計画指標」(第5版)に準じ,表計算ソフト(Excel)を用いている。
3 利活用の留意点
- 1)使用したデータは,県内の加工用トマト栽培経営体の実績データであり,作業内容は一例である。そのため使用者の実態に即して数値を変更し,使用する。
- 2)技術体系は,調査対象経営体が契約している業者の栽培指針に沿っている。苗は契約業者から仕入れており,使用した収穫補助機も契約業者式のものである。
- 3)経営試算における農業機械の年間利用面積は,実証経営体の平成27年度の栽培面積に即しており,トラクタ,軽トラック,3トントラック及び振動サブソイラは16.35ha,管理機及びマルチャーは90a,動力噴霧機及び収穫補助機は72aである。使用する際は実情にあった数値を入力する。
- 4)作成したファイルは約50KB程度の大きさで,農業・園芸総合研究所情報経営部より入手可能である。
(問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所情報経営部電話022-383-8119)
4 背景となった主要な試験研究
- 1)研究課題名及び研究期間
加工・業務用野菜の産地育成事業(平成25年度)
加工・業務用野菜の導入・定着条件の解明と安定生産技術の確立(平成26年~27年度)
- 2)参考データ
表1 シート1(総括・技術体系:入力例)
表2 シート2(収支算定表:入力例)
表3 シート3(機械施設費等:入力例)
- 3)発表論文等
- 4)共同研究機関カゴメ株式会社
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