普及に移す技術第91号/第91号普及情報3
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普及情報(平成27年度)
分類名〔経営〕
運営改善点を見つけるための農産物直売所運営の評価表
運営改善点を見つけるための農産物直売所運営の評価表(PDF:226KB)
宮城県農業・園芸総合研究所
1 取り上げた理由
農産物直売所(以下,直売所)は,近年,消費者の低価格志向,直売所の競合等で年間販売額が減少する傾向にある。そこで,各直売所が今後の運営改善点を見つける際の一助となる評価表を作成したので,普及情報とする。
2 普及情報
- 1)作成した「運営改善点を見つけるための農産物直売所運営の評価表(以下,評価表)」の項目は,取り扱う商品について12項目(うち6項目は必須項目),消費者について6項目,生産者について9項目,従業員について6項目,その他6項目の計39項目である(表1,表2)。
- 2)評価表を用いて,経営者の考えと年間販売額及び客数等の業績に関する数字の変化を5段階で数値化し,双方の数値を見比べることで,運営改善点を探ることができる。
- 3)使用方法については以下のとおりである。
- a 「事業内容に関する自己評価」欄の各項目の実行状況について,実行できているか,経営者が5段階(実行していない場合を1,どちらかといえば実行していないを2,どちらともいえないを3,どちらかといえば実行しているを4,実行している場合を5)で評価をする。
- b 「事業内容に関する自己評価」欄の各項目について,「実行したい」または「実行する予定はない」の当てはまるほうに丸をつけ,特に重要だと思う事業内容の項目は「特に重要」欄に丸を付ける。
- c 「事業内容に関する自己評価」欄各項目の「業績に関するデータの評価」欄にある業績に関する数値を三か年分記入し,前年度と比較した数値の変化状況を矢印で示す。増えている場合は上向き矢印(↑),減っている場合は下向き矢印(↓),変わらない場合は右向き矢印(→)を記入する。次に,その矢印の組み合わせを5段階(「↓↓」は1,「→↓」及び「↓→」は2,「↑↓」及び「↓↑」,「→→」は3,「↑→」及び「→↑」は4,「↑↑」は5)で評価し,数値の変化状況を点数化する。
- d 最後に,事業内容に関する自己評価の点数と業績に関するデータの評価の点数を同一のグラフに記入すると,2種類のレーダーチャートグラフが表示される(表3)。
3 利活用の留意点
- 1)評価表1の「取り扱う商品について」を記入する際に,直売所の年間販売額や品目毎の販売額が必要となるため,POSがある場合はPOSデータの事前集計が必要となる。
- 2)表計算ソフト(Excel)を用いて作成したファイルは約76KBで,農業・園芸総合研究所情報経営部より入手可能である。
(問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所情報経営部電話022-383-8119)
4 背景となった主要な試験研究
- 1)研究課題名及び研究期間
震災復興に向けた農産物直売経営の経営効率評価および消費行動に依拠した今後の展開方向(平成25年~27年度)
- 2)参考データ
表1 評価表1 取り扱う商品について
表2 評価表2 消費者,生産者,従業員,その他について
表3 評価表の書き方
- 3)発表論文等
- 4)共同研究機関なし
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