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普及情報(平成27年度)
分類名〔経営〕
加工・業務用キャベツ(秋冬どり)の機械化一貫体系導入を検討するための経営試算シート
加工・業務用キャベツ(秋冬どり)の機械化一貫体系導入を検討するための経営試算シート(PDF:204KB)
宮城県農業・園芸総合研究所
1 取り上げた理由
近年,生活スタイルの変化に伴い食の外部化が進展し,野菜の需要は加工・業務用野菜が家計消費用を上回り,全体の6割を占めているものの,国産の割合は減少傾向にある。加工・業務用野菜の需要が高まり,国内産の供給拡大に期待が寄せられており,産地化へ向けた動きを強化する必要がある。そこで,農家・農業法人が加工・業務用キャベツ(秋冬どり)の導入を検討する際に参考となる経営試算シートを作成したので普及情報とする。
2 普及情報
- 1)加工・業務用キャベツ(秋冬どり)の機械化一貫体系導入を検討するための経営試算シート(以下「経営試算シート」という)は,,総括・技術体系(表1),収支算定表(表2),機械施設費等(表3)の3シートで構成されている。資材や数値等については,実証試験や栽培経営体の現地データなどを主体に入力されている。
- a シート1は,総括・技術体系であり,作物名,目標収量,作型,作業内容,労働時間,使用資材,使用機械及び時間などが記載されている。
- b シート2は,収支算定表であり,粗収益,経営費及び農業所得などが記載されている。
- c シート3は,機械・施設費等一覧であり,シート2の収支算定表のその他の諸材料費,建物及び施設費,農機具費,租税公課及び諸負担のデータに反映される。
- 2)事前に入力されているデータは,以下のとおりである。
- a 加工・業務用キャベツ(秋冬どり)の作型は,7月上旬に播種し,収穫は11月上旬から12月下旬ごろである。
- b 労働力は,基幹農業従事者1名,補助従事者3名である。
- c 主な使用機械は,全自動播種機,畝立て同時施肥機,全自動移植機(乗用2畦仕様),ハイクリトラクタ,3連カルチ,ハイクリブーム,収穫機,リヤリフトである。
- d 目標収量6,000kg/10a,販売単価60円/kgで粗収益360千円,経営費203千円,農業所得157千円,10a当たり労働時間は,43時間である。
- 3)経営試算シートは,平成13年3月宮城県産業経済部発行の「宮城県営農基本計画指標」(第5版)に準じ,表計算ソフト(Excel)を用いている。
3 利活用の留意点
- 1)使用データは,新技術導入広域推進事業「キャベツ栽培の機械化一貫体系実証展示ほ」の調査結果を主体とし,播種,育苗作業は「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」でのデータを参考にしている。
- 2)経営試算における農業機械の年間利用面積は,トラクタ,ロータリ,ブロードキャスタ,動力噴霧機,トラックは現地実証経営体の経営面積23haとし,それ以外の機械はキャベツ収穫機の11月から12月までの作業負担面積10ha(表4)としている。使用する際は実情にあった数値を入力する。
- 3)機械の所有は経費を抑えるため,共有にすることも考慮する。
- 4)作成したファイルは,54kb程度で,農業・園芸総合研究所情報経営部にて入手可能である。
(問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所情報経営部022-383-8119)
4 背景となった主要な試験研究
- 1)研究課題名及び研究期間
加工・業務用野菜の導入・定着条件の解明と安定生産技術の確立(平成26年~27年度)
食料生産地域再生のための先端技術展開事業技術・経営診断技術開発研究(平成27年度)
- 2)参考データ
表1 シート1(総括・技術体系:入力例)
表2 シート2(収支算定表:入力例)
表3 シート3(機械・施設費等:入力例)
表4 キャベツ収穫機の作業負担面積
- 3)発表論文等なし
- 4)共同研究機関農研機構中央農業総合研究センター
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