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掲載日:2016年4月8日

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普及に移す技術第91号/第91号参考資料12

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参考資料(平成27年度)

分類名〔花き〕

宮城県におけるワタの鉢物栽培技術

宮城県におけるワタの鉢物栽培技術(PDF:151KB)

宮城県農業・園芸総合研究所

1 取り上げた理由

ワタは,夏季に花,冬季にコットンボールが鑑賞可能で,家庭では秋以降室内に取り込んでクリスマスの装飾をするなど,多様な楽しみ方ができる新規鉢物品目として有望と思われる。ワタの高性及び矮性(わいせい)品種を鉢物栽培する場合,宮城県の環境条件に適合する作型が明らかとなったので,参考資料とする。

2 参考資料

  • 1)品種は高性または矮性(わいせい)を用い,20~25℃の温床で2~3週間育苗する。宮城県内において無加温施設内で栽培する場合は,5月中旬に定植する。これより早いと開花,開じょまでの日数が長くなり,遅いとコットンボール数が少なくなる(表1)。
  • 2)高性品種を5月中旬に直播すると,定植した場合と同等の生育,コットンボール数が得られ,同時期に開じょするので,育苗作業が省略でき,栽培期間も短縮できる(表2,表3)。
  • 3)高性品種を5月中旬に直播または定植すると8月末~9月初めに開じょ始期となる。矮性(わいせい)品種を5月中旬に定植すると8月上旬に開じょ始期となる(表1,表3)。
  • 4)生育適温期間中は主茎が伸長し続けるので,鉢とのバランスを考慮し摘心する。7号鉢の場合,主茎長60cm程度とし,支柱を使用する。

3 利活用の留意点

  • 1)種子は市販のものが利用できる。自家採種する場合は,完全に開いたコットンボールの綿毛を取り除き,充実したものを採種する。直播では,特に複数株を1鉢に植える際には不発芽や発芽の不揃いを考慮し,多めに播種して本葉展開後に間引く。
  • 2)出荷適期は開じょ始期で,1鉢のコットンボール数が多いほどボリュームがあって市場性が高い(仙台市中央卸売市場鉢物担当者からの聞き取り)。なお,開じょ始期において発らい,開花は継続中であり,花も観賞できる。
  • 3)試験は以下の条件で行っている。
    • a 高性品種はアップランド系,矮性(わいせい)品種は「新疆棉セミトール」を用い,宮城農園研ガラス温室(無加温)で栽培している(図1)。耕種概要は表4のとおりである。
    • b 果皮に切れ目が入り,綿毛が見えた状態を開じょとしている。平成27年の開じょ始期および開じょ始期は,1鉢中最も早く開花および開じょした株のもので,開花時および開じょ時の生育もその株について調査している。
    • c コットンボール数は,平成26年は11月11日に高性品種は直径3cm以上,矮性品種は2cm以上のものを計数している。平成27年は開じょ始期に結実が確認できたものを計数している。
    • d 1鉢当たりの資材費(税抜き)は,硬質ポリポット,支柱,用土で各233.2,37.3,198.2円,計468.7円である。

(問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所園芸栽培部電話022-383-8132)

4 背景となった主要な試験研究

  • 1)研究課題名及び研究期間
    宮城から提案する新規園芸品目の生産技術の開発(平成26~27年度)
  • 2)参考データ
    鉢物ワタにおける定植時期別の開花日及び開じょ日,コットンボール数一覧表
    表1 鉢物ワタにおける定植時期別の開花日及び開じょ日,コットンボール数(平成26年)
    鉢物ワタにおける開花始期の生育一覧表
    表2 鉢物ワタ(高性品種)における開花始期の生育(平成27年)
    鉢物ワタにおける開じょ始期の生育一覧表
    表3 鉢物ワタ(高性品種)における開じょ始期の生育(平成27年)
    出荷期の草姿写真
    図1 出荷期の草姿(平成27年9月4日撮影)
    耕種概要表
    表4 耕種概要
  • 3)発表論文等なし
  • 4)共同研究機関なし

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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