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掲載日:2012年9月10日

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宮城のプルサーマル情報|講演会・討論会の記録

基調講演会「プルサーマルを考える」(平成21年9月5日)

質疑応答

Q1.プルサーマルを導入した場合の、宮城県や地元石巻市・女川町のメリットは?

A.【森本】
地元自治体にプルサーマルの広報のための交付金を年間2000万円は交付していますが、プルサーマルに同意いただくことで特別に交付される核燃料サイクル交付金は平成20年度末をもって同意期限を終了しました。ただ、地域の振興の為の交付金制度については他の制度も多々用意されておりますので、活用を考えながら、できる支援をしてまいりたいと思います。一方、エネルギーの安定供給、地球温暖化対策できるといった原子力発電のメリットは、プルサーマルを実施することでより高められ、地元の皆様を含む国民全体が受益するものと考えています。

Q2.宮城県沖地震の場合など、本当に安全なのか?

A.【梅田】
4年前の平成17年8.16地震では、女川1号機から3号機が設計どおり自動停止、その後の調査でも設備的には、何ら問題がない事も確認いたしました。しかし、更に大きな地震を想定し、当時の設計基準地震動の数値375ガルを580ガルまで上げて、解析・評価し十分強度があることを確認し運転を再開しました。その後、新しい知見を入れた耐震設計指針に基づく再評価を実施しており、現在、国の審査を受けています。また、さらに地震に強い発電所とするために耐震裕度向上工事を実施しております。プルサーマルについては、MOX燃料とウラン燃料の強度という意味では、全く同じなので、そのような大型の地震への対策によって安全に運転できると考えております。

Q3.万が一事故が起きたとき、ウラン燃料とプルサーマル燃料との被害の違いは?

A.【小林】
国が安全審査で想定する事故のレベルでは、ほとんど変わりません。特別の事態を想定しない限りは、あまり大きな被害の違いはでてこない。両者の違いを細かく注目するよりも、今のウラン燃料の炉心でさえも大事故を起こしたら大変です。より過酷な事故になれば、想定によってはプルサーマル燃料の方が影響が大きくなる可能性もあります。

A.【出光】
プルトニウムを入れる、入れないでは、内蔵する放射能量には大きな差はありません。ヨウ素などについても1%以内ということで、ほとんど変わらない。今のウラン燃料の運転と同様に十分に安全に行えば、被害は起こらないということです。

Q4.プルサーマル再処理の過程で放射性廃棄物を海に棄てるというのは本当か?三陸の海は大丈夫か?

A.【小林】
再処理すると放射性物質がたくさん放出されるということは本当です。放出される放射性物質によっては生物濃縮がありえるので、三陸沿岸の漁業者にとっては、風評被害を含めて重大な問題と考えられます。

A.【出光】
再処理工場の場合は年間0.022ミリシーベルトを目標値としている。(一般の方が1年間、自然界で浴びる放射線量の1/100ぐらいを制限値としている。生物学的濃縮は、大半は、トリチウムなので、濃縮されません。なおかつ、排出されているところでは、すでに検出限界値以下ですので被害を及ぼすということは考えられません。ご安心いただいていいかと思います。風評被害については、実際には害はないんだということを、みなさんがご承知下さい。この近くにもあったかと思いますが、モニタリングポストで、自分たちで確認することも出来ますので、そういった意味で、自信をもっていただきたい。

Q5.使用済みMOX燃料は当分の間、原発内の貯蔵プールに保管すると説明があったが、保管年数の見込みは?

A.【梅田】
女川原子力発電所の貯蔵スペースは十分あります。冷却した使用済み燃料は、順次六ヶ所再処理工場に運んでおります。もし仮に六ヶ所再処理工場に運べないということになった場合でも、7~8年は確保でき、さらに使用済み燃料プールの空きスペースに貯蔵ラックを配置すると、容量は増えることになり、30回分、30年以上貯めることができます。

A.【森本】
使用済みMOX燃料を含め使用済み燃料は再処理してリサイクルすることを我が国の基本方針として定めています。具体的にどのような場所、技術方式を選ぶかということは、今後決めていくことになり、現在までの開発の進捗、今後数十年の研究開発がどうなるか、といったことを踏まえ、2010年ころから検討を始めるということを原子力政策大綱にはっきり明文しております。従って原子力発電所に永久的に使用済みMOX燃料が貯蔵されるということはありません。

Q6.プルサーマルを実施すると、今以上に定期点検作業員の被ばくが増えるといわれている。東北電力は住民説明会では、現在の原発と変わらない、と説明していたが、どちらが本当なのか?

A.【小林】
MOX燃料とウラン燃料との放射線の違いがあり、被ばくにとって大事になるのは中性子とガンマ線ですが、MOX燃料とウラン燃料とでは放射能が違います。ウラン燃料を1としますとMOX燃料は、10,000倍の中性子の線量です。ガンマ線に関しましてはウラン燃料を1としますと、その約20倍。MOX燃料の方が放射線を非常に多く出します。燃料の運搬作業なども含め、今後MOX燃料で被ばく量が増える可能性は十分にあると思います。

A.【出光】
使用済み燃料につきましては、内包されている放射能量というのはウラン燃料、MOX燃料で、変わりません。そして取り扱いも今のウラン燃料と同様に扱われるということになります。九州電力、四国電力、それから中部電力では、既にMOX燃料を受け入れておりますが、それに伴う被ばく量の上昇というのは報告されておりません。

Q7.海外の実績はほとんど実験段階の数値であり、日本と同じ原発で営業運転で使用したMOX燃料は2体の実績しかないと聞いたが、本当か?使用実績は十分か?

A.【小林】
日本での実績というのは、推進する立場の方は、少数体試験と、軽水炉ではないんですが「ふげん」の例を良く挙げられています。少数体試験は沸騰水型の敦賀1号で2体、PWR(加圧水型)では美浜1号で4体実験をやりました。今計画しているのは、もっと燃焼度を高くやってます。だからその意味では対等な条件ではないです。敦賀1号で使ったMOX燃料は、今のMOX燃料とは形状も違いまして、これが実績になるとは私は考えておりません。「ふげん」は(軽水炉ではなく)新型転換の原型炉というものですから、ちょっと実績とは言えないのではないか。
A.【出光】
お配りしている資料には、各国で使われた例を挙げておりますが、三分の一以上MOX燃料をいれてる、燃焼度も最高燃焼度で55000とか、そういうものもでております。今日本では、45000まで、女川では40000までと、いうことですが、それよりも高い燃焼度で燃やしている例がある。今までにつかった集合体の数、6000体以上と、いうことを考えれば、これは充分な実績であるというふうに思っております。

Q8.プルサーマルは「灯油用のストーブにガソリンを入れるようなもの」と言っている人がいるが、安全性はどうか?

A.【出光】
普通の軽水炉に、MOX燃料に入れるというのは、ストーブにガソリンを入れるというものではありません。先程も説明したと思いますが、核燃料の臨界にする能力というのを見ていただき、ウラン燃料と同じくらいの反応度になるように調整して入れるので、ウラン燃料と能力的に変わらないものを入れるとご理解いただければいいと思います。

Q9.リサイクルした場合それなりの費用がかかると思うが、電気料金への影響は?

A.【梅田】
原子力の発電コスト(発電所を建てる建設費用、メンテナンス費用など)を100としますと、原子燃料の割合は非常に少なく、10%程度で運転が行えます。MOX燃料の原子力発電コストに占める割合は1%程度となります。MOX燃料が高かった場合でも電気料金、コストに与える影響は非常にわずかなものですので、これは経営努力で電気料金になるべく反映しないように致します。

Q10.政権が変わったが、今後考えられる変化について教えてほしい

A.【森本】
大きなエネルギー政策として、エネルギー基本計画があり、法律に基づく計画として、定期的に閣議で定めています。この中において、原子力政策、原子力利用の推進、核燃料サイクルの推進というのが位置づけられています。したがって政府としては、引き続き、有効なものとなると思います。
それから、私が承知する範囲では、民主党の「マニフェスト」には、安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力の利用についても着実に取り組むと記載されており、「政策集」の中でも、使用済み燃料の再処理や放射性廃棄物処分について、国が技術の確立と事業の最終責任を負うことといった記載があり、具体的には、今後その中で実現されるものと理解しております。

お問い合わせ先

原子力安全対策課事故被害対策班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号13階北側

電話番号:022-211-2340

ファックス番号:022-211-2695

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