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掲載日:2012年9月10日

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宮城のプルサーマル情報|講演会・討論会の記録

基調講演会「プルサーマルを考える」(平成21年9月5日)

講演2/プルサーマルの技術的安全性

講師/九州大学大学院工学研究院 エネルギー量子工学部門教授 出光 一哉氏

  1. スクリーンで使用した資料(PDF:1,700KB)
  2. 配布資料(PDF:231KB)
プルトニウムを安全に使用できる日本の原子炉

出光一哉氏軽水炉でプルトニウムを使う、プルサーマルに関しまして、1/3をMOX燃料にしていいという報告がでております。この報告、(MOX燃料の組成について)、原子力安全委員会原子炉安全基準専門部会報告書「発電用軽水型原子炉施設に用いられる混合酸化物燃料について」(通称「1/3MOX報告書」)では、プルトニウムの最大含有率はペレット最大で約13%とされており、これに対して女川原子力発電所の場合は最大で約10%程度です。また、核分裂性プルトニウムの富化度については「1/3MOX報告書」では8%とされており、女川では約6%程度です。同様に最高燃焼度は「1/3MOX報告書」では45000とされており、女川では、40000単位を設定しています。
この「1/3MOX報告書」では、今の原子炉で燃料の1/3程度にプルトニウムを利用する上では,特に大きな設備変更をする必要はないと報告されており、プルトニウムを利用すると直ちに危なくなるということはありません。
停止している原子炉の停止状態を維持する機能のグラフ小林先生が制御棒を増やした例があるという話をされていますが、日本の原子炉は、非常に安全に作られており、制御棒の数がもともと多いものとなっています。また、(停止時に)臨界にならないように設計基準が定められていますが、設計基準を充分に満たしています。なお、MOX燃料を使用すると今よりも安全裕度が少なくなりますが、それでも設計基準を充分満たしているのです。(右図)

非常に過酷な試験でも壊れなかった燃料

燃料の事で幾つか説明したいと思います。
この報告書では、留意点ということで、ペレットの融点、熱伝導度が低下するというのがありますが、先ほど、梅田副社長が説明されたとおり、充分余裕があるということです。次に,ペレットのクリープ速度が増加するというのがありますが、これは、燃料がやわらかくなるという意味で、どちらかというと燃料が壊れにくくなるという話です。
先ほど、小林先生から核分裂生成ガスの放出率、ペレット内プルトニウムの含有率が不均一の可能性というのがありました。
プルトニウムの塊があれば、そこだけ異常に燃焼するのではないか、その部分だけ非常に温度があがるのかというと、実は数度上昇するだけですぐに消滅してしまいます。0.4mmぐらいのプルトニウムスポットがあるという想定で検討が進められていましたが、実際(の燃料を)確認すると、大きなプルトニウムスポットは出来ておりません。原子炉での使用初期においてプルトニウムスポットは分解され、特に燃料全体に悪影響を及ぼさないということが分かっております。日本原子力研究所でプルトニウムの非常に大きな粒を入れて、非常に過酷なデータ試験をやったのですが、燃料は壊れないということが分かっております。
それからガスの発生による内圧の上昇の話ですが、対策をとっています。急速に上がっていくから危ないということではなく、ウラン燃料と同じ程度の圧力になるように設計しております。ブランパンという人が発表しておりますのは、非常に高出力を無理やり出させるとガスがでるということでして、普通の燃焼の仕方ですと、ウラン燃料と変わりないという報告が出ています。

全世界で十分な使用実績があるMOX燃料
実績は2007年末で、全世界で6000体以上の使用実績があります。フランスはさらにライセンスを増やしまして、2007年当時で20基でプルサーマルをやっており、さらに4基ライセンスを与えられていて運転する予定になっております。アメリカですが、カトーバという炉でプルサーマルをやっております。2005年(から始まって、)もう終ってるかとは思いますが、MOX燃料のプルトニウムとして解体した核兵器から取り出したプルトニウムをフランスに燃料に加工してもらって輸入した、ということです。2015年までに女川の方でもプルサーマルを開始したいということで、例えば使用済燃料8体を再処理したら新しいMOX燃料が1体できます(PWRの場合)。それと回収ウランを濃縮したもので、新しいウラン燃料が1体つくれます。1回再処理するだけでそれだけのものを新たに作りだすことができますので、これは資源の有効利用であると考えております。
MOX燃料使用の実績(図)
九州大学の学生の中には、留学生もたくさん来ていて、彼らにもプルサーマルとか、高速炉の話をします。すると彼らは「ウラン資源は世界でも使いたい、でも高くなる。日本は技術があるんだから早くプルトニウムを使ってウランを世界に回してくれ」と言います。それも原子力の学生ではなく、土木とか資源とかあるいは農学などの全然別の分野の学生です。プルトニウムをどんどん使っていく分には、日本は悪用する国ではないというのは良く分かってますが、ただずっと溜め込むのは良くない、という話もしていました。

お問い合わせ先

原子力安全対策課事故被害対策班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号5階北側

電話番号:022-211-2340

ファックス番号:022-211-2695

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