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掲載日:2012年9月10日

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宮城のプルサーマル情報|講演会・討論会の記録

基調講演会「プルサーマルを考える」(平成21年9月5日)

説明1/プルサーマルのエネルギー政策上の必要性

資源エネルギー庁 原子力立地・核燃料サイクル産業課長 森本 英雄氏

原子力発電のメリット

森本英雄氏資源エネルギー庁では、オイルショック以降、産業・生活に必要なエネルギーの安定確保やエネルギー分野の環境対策についての施策を進めています。
オイルショック当時、発電電力の3/4近くを石油火力発電で占めていましたが、現在は原子力、石炭、天然ガスといったものが、それぞれ1/3から1/4を占め、石油火力発電の占める割合は10%程度にまで下がっています。これが昨年の原油暴騰時にも電気料金がそれほど上がらなかった一因でもあります。
原子力発電は、(1)燃料のウラン輸入先が地域的に分散していて政情が安定している国が多い。(2)例えば100万kWくらいの発電所の1年間の燃料が21tで済み(石炭は200万t以上)、また、一旦燃料を装荷すると数年間燃え続けるなど、燃料の備蓄効果が高い。(3)コストに占める燃料費の割合が小さいので、燃料価格の影響を受けにくい、といったエネルギーの安定供給につながるメリットがあります。また、発電中に二酸化炭素を発生しないことから、地球温暖化の防止につながるといったメリットもあります。もちろん、二酸化炭素の排出削減は、原子力の推進だけで解決できるものではなく、資源エネルギー庁としては新エネルギーの活用や省エネルギーも原子力と並んで進めているところです。

原子力発電のメリットを強める核燃料サイクル

ウランについては、相対的に石油と比べれば安定的に供給されるものですが、世界的に原子力発電所の建設が進んでいることから、その値段も上昇傾向にあります。国内で使用したウラン燃料をリサイクルすることによって、少しでもエネルギーセキュリティの観点からプラスのほうへ持っていこうというのがプルサーマルです。
また、使用済み燃料の再処理を行う事によって、高レベル放射性廃棄物の量やその処分場の面積を小さくすることが出来ます。一方、リサイクルの過程では低レベルの放射性廃棄物が発生しますが、処分する事の困難さを考えると高レベル処分の対象を如何に減らすかということが、環境面では重要になってきます。
一方、経済性の観点からは、プルサーマルを含むウラン燃料のリサイクルをする方が、リサイクルしない場合に比べ、約1割割高になります。
我が国における原子力の基本方針を定める過程では、これらの長所・短所を含めて検討を行った結果、使用済み燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用しプルサーマルを着実に推進していこうということになりました。
最後に高レベル放射性廃棄物処分についてですが、原子力発電を行えば、燃料をリサイクルする、しないに関わらず高レベル放射性廃棄物は発生します。わが国においては、これを再処理工場でガラス固化体と呼ばれるものにし、それを埋設処分するための場所を今探しています。
原子力発電が、エネルギーの安定供給や地球温暖化防止に優れたものであり、プルサーマルはこうした優れた点を増すことができることから、全国で実施を目指しています。この議論につきましては原子力政策大綱という国の方針を決める際に、公開の場で議論された結果を踏まえたものであり、是非地元の皆様のご理解を頂ければと思います。

お問い合わせ先

原子力安全対策課事故被害対策班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号5階北側

電話番号:022-211-2340

ファックス番号:022-211-2695

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