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プルサーマルの必要性について、理由は大きく4点ございます。1つ目は「長期的なエネルギーの安定確保」で、皆様にお届けする電気を安定的に長期に確保するということです。2つ目は、使用済みの燃料をリサイクルによって輸入しているウランを減らすことができ「ウラン資源の節約」が可能だということです。プルトニウムを利用することによって約1割のウラン燃料の節約ができ、この1割とは、宮城県の一般家庭全体の約半年分の電気に相当いたします。3つ目は「高レベル放射性廃棄物を低減できる」ということです。使用済み燃料を再処理によって分別する場合、そのまま処分する場合に比べまして、高レベル廃棄物の体積を3~4割に低減できる点です。そして4つ目は「プルトニウムの平和利用に貢献できる」ということです。
プルサーマルの安全性では、原子力発電所の場合は、毎年1回、原子炉を止めて約1/4新しい燃料に交換しております。この1/4がプルトニウムの入っていないウラン燃料ですが残りの2~4年目の燃料にはプルトニウムが含まれているため、現在でも3割ぐらいはプルトニウムにより発電しています。これに対しプルサーマルを実施した場合は、50~60%がプルトニウムによる発電ですので、プルトニウムの核分裂で発電するということ自体は新しいことではありません。
次にプルサーマルを実施すると、制御棒の効きが悪くなり危ないのでは、というご指摘があります。確かにMOX燃料の方が制御棒の効きが弱くなる傾向があるというのは事実ですが、原子力発電所を安全に停止するために必要とされる制御棒の停止能力を例えば100と致しますと、現状、280程度と十分な余裕を持って設計されております。同じようにプルトニウム燃料は溶けやすいのではないか、というご指摘については、MOX燃料の融点はウラン燃料よりも70℃くらい低くなっていますが、原子炉内の燃料中心温度は融点2700℃に比べ約1000℃も低くなっています。MOX燃料の中心温度は現在使用している燃料に比べ100℃ほど高くなっていますが、女川1号で初期に使用した燃料にはMOX燃料より高い燃料もあります。したがってMOX燃料の特性による変化はこれまで採用した燃料の変化と同様であるといえます。次にMOX新燃料はウラン燃料に比べると、放射線をたくさん出し、作業する人がたくさん被ばくするのではないか、というご指摘も見られます。これにつきましては、専用容器に入れて工場から発電所に運ぶ、あるいは発電所の中では遠隔で操作する、プールの中に保管するなどにより作業する人の被ばくを極力少なくなるように工夫しております。これまで、使用されてきたMOX燃料の実績は、各国57基、6018体、日本でも敦賀1号、それから、美浜1号、で少数体ではありますが、問題ないことを確認しております。
また、当社ではプルサーマルの必要性・安全性を広く地域の皆様にご理解いただくため、TV・広告などのほか、女川町、石巻市において戸別訪問を実施するとともに、地区別説明会も順次行っているところであります。
今後とも、地域の皆様にご理解をいただけるよう誠心誠意努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
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