管内協働教育地域指導者研修会【北部】
平成30年12月12日(水曜日)に大崎合同庁舎において,「北部管内協働教育地域指導者研修会」を実施しました。
北部管内の放課後児童支援員,学童保育指導員,放課後児童クラブ支援員,放課後子ども教室コーディネーター,子育てサポーターリーダー等,70名が参加し,それぞれの立場での資質の向上と,地域の教育力の更なる充実を図るため,演習を通して研修しました。
【演習】身近な素材を使った遊びの実際
【講師】NPO法人子育て応援団ゆうわ 理事長 齋藤勇介 氏
齋藤氏は幼稚園教諭,保育士としての勤務を経て,特定非営利活動法人を設立し,現在に至るまで,子育て支援・家庭教育支援を中核にした社会的サポート活動や,児童センター,放課後児童クラブ,子育てひろばの運営等に取り組んでいます。
氏は前段の基本講義を通し,子供の活動を支援するキーワードを『笑顔』と述べ,「ホッとできる居場所を提供すること」,「日常を大切に積み重ねていくことで子供の笑顔,親の笑顔,支援者の笑顔を育んでいくこと」を基盤に進めることの大切さを説きました。これを実現する方法の1つとして『「遊育」の推進』を示し,大人が子供の視点に立ち,子供の遊びを奪うことにつながらないように考えることの重要性について教授しました。
講義後には,折り紙や新聞紙,ペットボトルキャップなどの身近にある物を材料にしたおもちゃ作り(演習)を行いました。齋藤氏は,テープやのりを使わずに作ることができることや,遊び方を工夫したりルールを決めたりすることによって“ゲーム化”できることなど,受講者が思わず感嘆の声を上げてしまうようなアイディアをたくさん示しました。
受講者は,支援者として意図的な言葉掛けや,子供たちが主体的に遊びを創造するような見守りの大切さについて,改めて考える機会となりました。
基本講義の概要
- 子どもの活動を支援するキーワードは『笑顔』
- 大切なことは,子供にとって“ホッとできる居場所”となること
- 教育:子供たちに「教え」て,大人が「育てる」こと
- 遊育:子供が「遊び」を通じて,自ら経験し「育つ」こと
- “遊び”は,単なる余暇の過ごし方ではない⇒楽しみながら,自ら取り組み,体験する
- 現代の子供の生活=プログラム化…塾,習い事が毎日のように組み込まれている
- “学んだことを生かす場面”がどれだけあるのか
- 禁止ばかりの場所が「安全基地」になり得ない
- “危ない!”“ダメッ!”の言葉は,子どもの主体性を育むか?
- “危険な物”を大人が全て排除することは,本当に望ましいことなのか?
- リスクを尊重し,ハザードを取り除く環境づくりを目指したい
- 安全の基本:人はミスをする,機械は故障する
- 保護者理解の促進:安心・安全を口にするだけではない
- 子供が楽しい実習(工作)とは:“作らなければならない”,“求められる完成型”はイヤになる。
参加者事後アンケート※抜粋
- 楽しくてあっという間の時間でした。おりがみで作ったジャイロひこうきがとてもかんたんにできてビックリでした!テープやノリを使うことなくやぶいて折かえすのがさんこうになりました。
- 遊びを通して楽しむ,楽しみを生かして遊ぶ事も学ぶ,とても参考になりました。楽しく過ごせたのであっという間に終わってしまいました。
- 仲間に入れない子への配慮はそれなりに行ってきたつもりだが,こんな方法もあるんだというタカの眼でのアイディアを頂いた気がした。
- 齋藤先生は本当に子どもが好きで,子どものためにたくさんのことを考えているんだなと伝わってきました。
- つい「ダメ!」「危ない!」等言う事が多かったので,工夫して楽しく遊べるようにしたいと思いました。
- ケガのないようにお子さんを預かるにしても,すり傷ぐらいはかくごの上で遊ばせるべきかなと思った。
- 禁止ことばをいわなくても,楽しい遊び,ゲームができるので,本当に楽しかったです!!新聞紙をビリビリこわすと,ストレス発散し,それを,みんなでひろうゲームをするのが本当によかったと思います。
- 身近な物でいろいろいな遊びがある事におどろいた。ぜひイベントがある時に子供達と遊びたいと思いました。
- 楽しかったです。トングの発想,よかったです。
- 年々,利用児童数が増え,活動(遊び)の内容がどんどん少なくなり,私自身,不満や物足りなさを感じていたが,視点を変えたり工夫したりで,なんとか楽しい「安全基地」づくりをしたいと,強く強く考えられました。
- 身近なもので,かんたんに,集団あそびが苦手な子供も一緒に楽しめる遊びも教えていただき,ありがとうございました。
- 「ほめる」を生かしたいと思います。
- 子どもの成長に楽しく遊ぶ,自ら喜んで遊ぶ,遊育の大切さが良くわかりました。ありがとうございました。
- 自己肯定感を高め,またやってみようという意欲を持たせる遊び方など大変勉強になりました。
- 最初に遊びの意義,大切さを教えていただき,「楽しむ」ということをみずから経験できた時間でした。折り紙や新聞紙など身近にあるもので色々な遊びを研修することができてよかったです。児童館での遊びの中にとり入れていきたいと思います。
- 子どもたちに向き合う時に,とても大切なこと,「自らの遊びの中から生きる力を育む」,改めて認識致しました。楽しい遊びもたくさん教えていただき,私自身もパワーをもらいました。
- 身近なものでの遊び,ひごろ気づかずにいる言動や行動がどのように児童にひびいていたかなど勉強になりました。
- リスクとハザードの考え方が参考になりました。頭を切り替えてみようと思います。
- 子どもたちにとって遊びは心の栄養ですね!!
- 創作活動についてだけでなく,「遊び」についても学ぶ機会となりました。子どもの頃,よく「子どもは遊びが仕事」と言われていたことを思い出し,児童クラブでの過ごし方を見直して,宿題が主ではなく,子どもたちが主体的に遊べるよう手助けしていきたいと思いました。とても楽しい研修会でした。
- 身近に簡単に出来るおり紙,ゲーム,今度実践で使いたいと思います。上手に出来なくても大丈夫との言葉に,私たちは完成形を望んでしまうので,新鮮でした。
- 日頃私たちが何気なく使ってしまっている言葉が子どもたちにとって良くないということを改めて気付かされました。気を付けていきたいです。身近な物を使っての遊び,楽しかったです。ぜひ,やってみたいと思いました。
- 遊びのご指導の中にも,子どもの接し方を学ばせていただきました。「やれば出来るじゃん」,使っていました。気をつけ,これからは使用禁止にします。
- いかに身のまわりに遊びの材料があるかを知る事が出来て嬉しかったです。