ここから本文です。
令和2年11月27日(金曜日)に美里町立北浦小学校において,学習活動「郷土料理『がんづき』を作ろう」を行いました。
5年生児童が,管理栄養士 浅野ゆか氏(野菜たっぷり料理教室「七ツ森」主宰),株式会社エイエイピー東北支店長 佐藤和彦氏から講義を受け,郷土料理の特徴や調理活動の趣について学びました。
食育を推進し,子供たちの食生活の向上や健康問題を改善することが望まれています。また,食を通じて,地域社会を理解することや,食文化の継承を図ること,自然の恵みや勤労の大切さなどを理解することも期待されています。
宮城県は,持続可能な社会の構築を目指し,次代を担う子供たちを対象に宮城の「食」に関する学習を促進するため,県内の学校や児童館等へ「食材王国みやぎ『伝え人(びと)』」を派遣する事業を実施します。
浅野氏は管理栄養士としての見識・技能を生かし,主宰する料理教室で旬の野菜や栄養価の高い食材を扱った調理法を教授する傍ら,県内広域で食育講座や介護予防講座の講師を務めるなど活動しています。
北浦小学校は,食に関する指導目標の一つに「各地域の産物,食文化や食にかかわる歴史等を理解させる」ことを掲げ,各教科等で相互に関連性をもたせて指導を行っています。志教育の重点事項には「地域と協働した教育活動を推進する」と示し,体験や交流を通じた教育活動に取り組んでいます。
管理栄養士 浅野 ゆか 氏(野菜たっぷり料理教室「七ツ森」主宰)
《補助》株式会社エイエイピー東北支店長 佐藤 和彦 氏
浅野氏は,うどんや“はっと”等,小麦粉を使った料理がたくさんあることを児童とともに確認してから,「小牛田にも有名なおいしいうどんがあるよね。」と語り掛けました。小麦粉が身近な食材であり,それをおいしく食べられるように調理する食文化があるということを児童に意識付けました。
現在は菓子として普及している「がんづき」がなぜ『郷土料理』なのかを考えさせる場面では,社会科の産業学習の内容に触れ,6年生での歴史学習の見通しも持たせるようにして,分かりやすく導いていました。児童は「仙台藩政時代の百姓は米を満足に食べることができなかったために,麦や小麦粉を調理して食べていた」という背景を知り,「がんづき」が元々は主食として食べられていた郷土特有の料理だったことを理解しました。
調理実習に必要な材料は講師が全て準備して持ち込み,それぞれのグループに必要な分量にあらかじめ小分けしたものを配付して活動させました。
児童は「わたし,小麦粉を入れる係。」「(手を上げて)砂糖入れる係!」などと声を出しながらグループ内で役割を分担し,協力して実習に取り組みました。
出来上がった生地をカップに分けて入れる段階になり,担任教員が「“均等にする”って習ったよね。どうするんだった?」と問い掛けると,多くの児童が「ならす!」と言葉を出して答えました。
蒸し上がるまでの時間を使い,講師は「小麦粉,米粉,片栗粉の違いを知ろう」というテーマを児童に示して,色やにおい,指で触った感触のほか,水を混ぜた場合,お湯を混ぜた場合の状態を確かめさせました。
「お湯を混ぜるということは,熱を通すということ。調理の仕方によって,いろいろな変化が起きる。」「がんづきの具材も,溶いてすぐに蒸すか“ねかせて”から蒸すかによって出来上がりに違いが出るし,重曹の粒の大きさによっても違いが出る。」などと説明し,「ちょっとしたことを疑問に思い,それを楽しみながら解決していくことも料理のよさ」と話しました。
「料理に失敗したら,次に工夫する。料理だけでなく,私たちの生活はすべてそう。」「自転車に乗ることだって逆上がりだって,何度もチャレンジするからうまくなる。」と,前向きに行動してよりよい生き方を追求することの大切さを伝える講師の言葉に,児童は真剣に聞き入っていました。
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
重要なお知らせ
こちらのページも読まれています
同じカテゴリから探す