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令和2年7月7日(火曜日)に加美町立西小野田小学校において,「こども環境教育出前講座」を開催しました。
1,2年生児童が,市民活動サークル「大崎自然界部」を主宰する若見朝子氏から講義を受け,水生生物を実際に採集したり観察したりしながら,その生態と環境のつながりについて考えました。
環境教育では,理科や社会科など教科教育の総合的・横断的な理解を促すとともに,論理的な思考力・判断力等を育みます。
宮城県は,持続可能な社会を次世代に残していくために,小学生の時期に環境教育を受ける機会を十分に確保し,環境問題を主体的・協働的に考え,行動する人材の育成に取り組みます。
市民活動サークル「大崎自然界部」を主宰する若見氏は,大崎地方の自然の環境保全活動とこれを子供たちに体験させる環境教育に,地域のリーダーとして約10年前から取り組んでいます。宮城県環境教育リーダーも務め,子供たちが生活する地域の田畑や沼で,実際に生き物を観察し,自然の豊かさや自然に向き合う大切さを感じることができるようなプログラムを実施しています。
西小野田小学校は「環境教育計画」を定め,例えば,理科では『地域の自然環境を観察することによって,美しい自然を愛し,よりよい自然環境を目指そうとする意欲を持たせる』こと,総合的な学習の時間では『地域環境を大切にしている人との触れ合いを通し,環境を守ることの大切さを理解させ,自分の環境を見つめ,実践しようとする意欲と態度を育てる』ことなど,各教科等の指導における環境教育の視点を明らかにして取り組んでいます。
また,環境教育を「ふるさと教育」や「地域学校協働活動」と関連付けるなどして多様な教育活動を展開し,より高次な教育成果の達成を目指しています。
若見氏は,採集前の講義で,校庭の草の茂みにいるたくさんの生き物を児童に挙げさせ,「プールの水の中にも,たくさんの生き物がいるよ」と語り掛けて,児童の関心を高めていました。プールに移動後は,「生き物が逃げないように,静かに水辺に近付いて注意深く観察してみよう」と話し,「どこにいるかな?」,「おたまじゃくしは,どんなふうに息をしているかな?」などと観察するポイントを児童に伝えながら進めました。
採集時には,捕獲できた児童を褒めたり,「網を向こう側から手前に動かして使うようにすると,捕まえやすくなるよ」と伝え,道具の使い方を工夫させたりしました。また,底に沈んだ葉をすくい上げ,「生き物は,私たちの見える所だけにいるんじゃないよね」と話して,児童が見落とさず気付くことができるように導きました。
教室に戻った後の講義では,初めに,学校の周辺には道路や街並みのほか,木,川,田があることを児童に発言させて,地域の情景を思い起こさせ,自然が豊かにあるということを感じ取らせていました。実際に採集した生き物を観察させる中で,若見氏は児童に,古川地区,田尻地区,学校のプールの3カ所で採取した水を観察させながら問い掛け,児童は水の濁り具合や含まれる生物に違いがあることに気付きました。若見氏は「自然の水がきれいな場所に生息するツチガエルが,西小野田で見られるのはいいことだね」と紹介して,“環境は生き物に影響を与える”ことを説明し,生き物は成長するに伴って生態が変化することや,生息する場所が変化することによって体のつくりや色が変わっていくということなどを,児童に考えさせながら,分かりやすい言葉で説明しました。
学習のまとめでは,児童に「まず,生き物をよく観察すること。静かに見ること。そうやって,生き物の生き方を見つけて理解して欲しい。それが,生き物にも環境にも大切なことだ。」と伝えました。
環境保全活動や環境教育に熱意を持つ宮城県環境教育リーダーが講師を務めたことにより,児童は期待を高め,疑問に思ったことを積極的に質問しようという姿勢を高めていました。
実践に裏付いた講義の内容に,児童は最後まで集中して臨み,注意深く水槽をのぞき込んだりモデルを操作して確かめたりしながら学んでいました。
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