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『日本往生極楽記』に名がみえる小松寺の本尊として伝来し,明治初年になり隣接する薬師堂に移された千手観音像で,近年学界にその存在が知られたものである。
中尊寺金色堂に安置される奥州藤原氏三代に関わる諸像,とりわけ二代基衡のために造られた一群と類似する作風がうかがえることから,12世紀後半に平泉の寺院の造仏に携わった仏師の手になるとみられる。二重まぶたの目や,背面で吉祥天や女神のように髪をたわませて結い上げる髪型が珍しく,注目される。院政期における東北地方の仏像製作の様子を知る上で重要な遺品である。
(朴材寄木造 像高96.0cm 平安時代末)
【写真提供:大崎市教育委員会】
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