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旧歩兵第四連隊兵舎は,明治初期から現在の仙台市宮城野区の榴岡公園内において歩兵第四連隊の兵舎として使用された建物の一つである。昭和54年に仙台市政88年を記念して行われた公園拡張に併せて現在地に曳家をして復元され,現在は仙台市歴史民俗資料館として活用されている。
建築年代は,この地に兵営が設置された明治7年もしくは兵舎増設時の明治9年と推察される。規模及び構造は桁行52.3メートル,梁間11.0メートルの木造総二階建で,屋根は寄棟造桟瓦葺である。桁行面には4か所の出入口ポーチが取り付く。また,漆喰塗の外壁と建物四隅のコーナーストーンによる装飾,上下窓,円柱ポーチなどの洋風要素と,桟瓦や鬼瓦による瓦葺屋根,階段の繰型などの伝統建築の要素を併せ持っており,総じて明治前期の擬洋風建築の特徴がよく表れていると評価できる。
本建物は,県内に現存する擬洋風建築の最古の遺例で,規模も最大であるほか,全国的にみても兵舎の現存例は少なく大変貴重である。また,仙台市による詳細な調査を踏まえて復元整備され,その後の改修も必要最小限の工事にとどまっており,文化財的価値を損なわず,積極的に活用が図られている好事例である。
指定年月日:令和5年3月24日
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