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箟峯寺は,大同2年(807)開基と伝わる天台宗寺院で,古くから殺生禁断・女人禁制の聖地として知られ,また南北朝から江戸時代には奥州鎮護の祈願所として各時代の領主から庇護を受けた寺院である。箟岳山上の堂宇とその周りの坊舎からなり,その中心境内に十一面観音を本尊とする観音堂がある。
観音堂は,実長14.9メートルの方形平面に宝形造の屋根を架し,前面三間に唐破風向拝が付く。内部は,内陣の周囲に外陣を配し,内陣奥には宮殿型厨子が置かれる。建築年代は,嘉永4年(1851)との記録があり,箟峯寺一山がほぼ全焼した天保13年(1842)の大火以降に建てられたことが分かる。
江戸時代に建てられた仏堂としては県下最大規模であり,天台密教一山寺院の中心建造物として雄大な姿を保ち続けている。本格的密教堂としても往時の形態をよく遺し,さらに装飾は一部に独創的な意匠も垣間見られるも総じて江戸後期から末期の特徴を有している。
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