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「稲置の薬師様」の名で親しまれ信仰されており、光背は128cm、カツラ材でつくられている。光背の円を二つ重ねた形は平安、鎌倉時代を通じてよく使用されたものである。素木で刻みはあらく衣文の彫法なども大ぶりであるが、像から受ける印象は決して粗雑ではない。胸部と背部の胎内両面にわかれて銘があり、胸部中部には「建長六年(1254)歳次甲寅八月彼岸第一番……」左右に30人、背部に30人の供養名号の回数を記してあり、千返を筆頭に一族郎党碑女に及ぶまで名号百返と記し、当時の信仰の実態を知る上でよい資料である。
(カツラ材寄木造 像高110cm 鎌倉時代)
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