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桃山期狩野派の筆法によって、戦国武将伊達政宗の精神をも表そうとした画面は、覇気に満ち、雄勤で華やか世界を作り出している。動的で正確な描線と華麗な色調を主体に画面構成しているが、元は右手に桐の大樹が立ち上がり、その枝の下に鳳風が配置されたものと推測される。しっかりした構図の取り方あるいは装飾を重視する彩色法にも、狩野派が推進した桃山期濃絵)の的確な技法が示される。金地と金雲の効果的な配列にも、この時代の特色を見出すことができる。
広大な空間を誇った本丸大広間の中枢を飾った障壁画であり、初期仙台藩の美術にとっても、また、藩で最初の画員となる作者・狩野左京にとっても最盛期の白眉と言える優品である。
紙本金地著色
縦160.6×横319cm
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