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杉薬師と称される薬師堂の本尊である。ケヤキの木から全体を丸彫りに造りあげたもので、東北地方に多いケヤキ材彫刻では古い方である。漆は剥げ落ちて、風化や虫害があるが、肩が張り膝の厚い平安初期の特色がよく残っていて、迫力が感じられる。しかし、上体や膝前に見る衣のひだの彫りは少し細やかになり、流暢な繰り返しの形で表わされ、表情に柔らかさが加わっていることなどから見て、製作時代は平安中期(10世紀)に入っているようである。地方的な作風だが、よくまとまった個性のある像である。
(ケヤキ材木造 像高121.2cm 平安時代)
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