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石盤葺(せきばんぶき)は、薄く割った粘板岩(玄昌石)の板を屋根に葺く技術で、明治時代の後半から大正時代にかけて洋風建築の屋根葺き材として積極的に採用され、スレート葺、天然スレート葺とも呼ばれる。粘板岩は国内各地で産するが、なかでも宮城県石巻市の雄勝産が良品とされ、文化財建造物修理で使用される石盤の大半が雄勝産である。
石盤葺は、良質の粘板岩を色調、硬度などにより選別して所定の厚さと形状に割り、もしくは切断して成形し、屋根下地に釘で打ち止めて葺き上げる。その仕様により、一文字葺、鱗葺(うろこぶき)、菱葺(ひしぶき)、亀甲葺(きっこうぶき)、蛤葺(はまぐりぶき)などの種別がある。石材の品質と性状を吟味し、それを見極めて石盤を加工したうえで、棟際(むねぎわ)や谷部分などでは雨仕舞(あまじまい)よく屋根を葺き上げることが重要で、そのためには高度な熟練を要する。
近年のスレート葺工事では、工場製品である石綿スレートや樹脂スレートを用いることが一般的であるため、本来の石盤葺における熟練技能者がほとんどいない。
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