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掲載日:2013年2月26日

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第三百四十回宮城県議会追加提出議案知事説明要旨

平成25年2月26日

ただいま追加上程されました平成二十四年度一般会計補正予算案をはじめ、提出議案の概要を御説明申し上げます。

東日本大震災の発生から、間もなく二度目の「三月十一日」を迎えようとしております。
振り返りますと、今年度の県政運営に当たりましては、「復興元年」として復旧・復興に本格的に踏み出す重要性と市町村との連携を強く意識し、全国各地から派遣された職員の方々の温かい応援・協力を得ながら職員一同懸命に取り組んでまいりました。また、NPOやボランティア等の皆様の献身的な活動や国内外から頂戴した数多くの激励にも支えられ、一歩ずつ着実に「ふるさと宮城の再生」に向け歩みを進めることができました。ここに改めて、御支援を賜りました全ての皆様に心から感謝申し上げますとともに、議員各位の御尽力、御協力に対し深く敬意を表する次第であります。
今議会の開会日にも申し上げましたが、宮城は今、「元気な宮城」と「復興途上の宮城」という二つの現実に直面しております。公共インフラの復旧をはじめ、県内の経済活動は堅調に推移するなど、徐々に震災前の姿を取り戻しつつありますが、一方では震災に対する関心の薄れや記憶の風化が現実化してきております。また、被災者の生活再建や沿岸部における事業活動の再開は緒に就いたばかりの段階でもあり、今後ともハードとソフトの両面においてきめ細かな支援策を講じながら、復興へのスピードを更に速めていかなければならないと考えております。

さて、今年度は特にスポーツ関係で明るい話題が多い一年でありました。J1ベガルタ仙台はシーズン開幕から終始首位争いを演じて準優勝という輝かしい成績を収め、アジア・チャンピオンズリーグ出場権を獲得いたしました。また、女子サッカーではベガルタ仙台レディースが全戦無敗でのチャレンジリーグ優勝を達成し、なでしこリーグへの昇格を決めました。このほかにも、ロンドンオリンピックにおける本県ゆかりの選手をはじめフィギュアスケートの羽生結弦さんの活躍などがありましたし、更には明治神宮野球大会で仙台育英学園高等学校が、全日本高校女子サッカー選手権大会では常盤木学園高等学校が全国優勝を果たすなど、数々の奮闘ぶりが被災地・宮城を勇気づける希望の光になりました。
今年は県美術館でゴッホやシャガールといった巨匠の企画展が開催される予定でありますし、震災後初めてとなる劇団四季のロングラン公演の開催も決定しておりますが、スポーツに限らず、芸術や文化等に親しんだり様々な趣味・活動に勤しんだりすることは充実した豊かな人生に欠かせないものであり、また、震災で傷ついた心を癒やし、復興に向けた活力になるものでもあります。
被災した方々が明日への希望と安心に根ざした心のゆとりを実感できる、そうした「心の復興」なしに真の復興は成し得ません。二度目の「三月十一日」を迎えるに当たり、被災者はもちろんのこと県民全ての皆様が明るく豊かな生活を営めるよう一日も早く復旧・復興を成し遂げること、それが私に課された最大の使命であるとの思いを新たにしているところであります。

一方、海外に目を転じますと、昨年はアメリカでオバマ大統領が再選されましたが、中国と韓国では新しい指導者が誕生するなど、時代の変革を感じさせる年にもなりました。我が国でも年末の総選挙で政権が交代し、第二次安倍内閣が船出いたしました。
先月、アルジェリアで発生した悲惨なテロ事件にも見られるように、国際情勢は予断を許さない緊迫した状況が続いているほか領土問題を含め様々な難題が山積しておりますが、政府には一にも二にも被災地から目を逸らすことなく、復旧・復興を最優先に解決すべき課題と強く認識して最大限の力を注いでいただきますようお願い申し上げますとともに、県といたしましても復旧の確実な達成に向け全力で取り組む決意でございますので、議員各位におかれましてもなお一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

今年度の財政運営は、堅調な復興需要に支えられ県税収入がほぼ震災前を超える水準にまで回復したものの、臨時財政対策債の発行等により県債残高は累増し、また、普通交付税は大きく減額されるなど依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、復旧・復興関連事業については国の手厚い財政支援措置が講じられたことから県負担が軽減され、しっかり腰を据えて事業の推進に取り組むことができましたが、資材の高騰やマンパワー不足等の影響が大きく、関連事業の相当部分を来年度に繰り越して執行せざるを得ない状況となっております。
このような情勢を踏まえ、今回の補正予算案では、復旧・復興関連事業をはじめとする歳出予算の執行額や歳入予算の確定に伴う計数整理等を行ったほか、国の「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に基づく補正予算への対応につきましても別途、予算措置を講じたところであります。

補正予算案の主な内容ですが、初めに、復旧・復興関連事業及び通常分の事業についてであります。
まず、震災からの復旧・復興に関する事業についてですが、被災した病院・診療所、薬局等の復旧に要する経費に助成し、医療機関の再開を支援してまいります。また、東日本大震災復興交付金については第五回申請に係る交付見込額等を東日本大震災復興交付金基金に積み立てるとともに、農業用機械及び施設の整備等に対する支援を追加して実施いたします。
なお、公共施設の災害復旧や災害廃棄物処理事業等については国庫負担・補助率の確定及び事業の進捗等に伴い所要の減額措置を講じておりますが、一部事業を来年度に繰り越して実施することにより平成二十五年度予算と合わせて適切に執行してまいります。
このほか、震災により親を亡くした子どもたちのために、これまでお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に追加して積立てを行います。また、次年度以降の被災者支援施策等の財源として活用するため、全国の方々から寄せられました寄附金等を東日本大震災復興基金及び地域整備推進基金に積増しいたします。
次に、通常分の事業についてですが、まず、国の経済危機対応・地域活性化予備費及び復興予備費を活用して追加配分される交付金を介護職員処遇改善等臨時特例基金、介護基盤緊急整備等臨時特例基金、子育て支援対策臨時特例基金、地域医療再生臨時特例基金及び緊急雇用創出事業臨時特例基金に積み立てるとともに、社会福祉法人が実施する障害者福祉施設等の整備に対し助成してまいります。
また、介護保険給付費負担金や国民健康保険都道府県調整交付金に加え、後期高齢者医療保険料の急激な増額を抑制するための交付金について追加措置を講じているほか、私立学校運営費補助金についても生徒児童数の増加等に伴い追加計上しております。
さらに、道州制推進に関する法整備等を国に要請するとともに国民的議論を喚起するためのフォーラムを開催し、道州制実現に向けた具体的な活動を展開してまいります。
このほか、平成二十五年度当初予算において地方交付税等の大幅な減額が見込まれることから、今年度予定していた財源調整機能を担う基金の取崩しを取りやめて残高を確保し、改めて平成二十五年度当初予算の財源として充当することにより収支均衡を図ることとしております。

次に、国の緊急経済対策に基づく補正予算に対応して実施する施策についてであります。
まず、津波被災地域の住民の住宅再建等を支援し地域への定着を促進するために国から交付される震災復興特別交付税について東日本大震災復興基金に積立てを行うとともに、これを活用した交付金を被災市町に交付して地域の実情に応じた弾力的な復興まちづくりを推進いたします。
また、公共事業関係では、三陸縦貫自動車道等の道路橋りょう、河川、治山の国直轄事業負担金を追加措置するとともに道路、河川、港湾、街路、農業農村整備、林道、治山などの事業費を増額しております。
さらに、工業用水道施設の耐震化や信号機等の交通安全施設、県立高校の産業教育用備品等の整備を推進するほか農産加工施設や畜産基盤の整備、阿武隈急行の鉄道施設保全に要する経費に対し助成を行います。
併せて、東北電力女川原子力発電所に関する原子力災害対策を重点的に実施する地域の拡大に伴い、適切な防護措置を講じるための放射線測定器や一時的な屋内退避施設の整備を進めてまいります。
このほか、消費者行政活性化基金、子育て支援対策臨時特例基金、自殺対策緊急強化基金、医療施設耐震化臨時特例基金、緊急雇用創出事業臨時特例基金及び森林整備加速化・林業再生基金について国の追加財源措置により積増しを行いますが、これら基金を活用した事業の実施については国や市町村、関係事業者等との調整を要することから、来年度において必要な補正予算措置を講じてまいります。
なお、国の補正予算に基づき、公共事業等の追加に伴う地方の負担軽減のために配分される「地域の元気臨時交付金」につきましては、今回の補正予算で計上した事業の財源として充当することにより県債発行額を圧縮するなどの活用を図ることといたしております。

以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、復旧・復興関連事業及び通常分に係る補正予算については、一般会計で三千四百九十四億一千五百余万円の減額、総計では三千五百八十九億七千七百余万円の減額となります。財源としては、県税二百五十四億円、寄附金三十二億二百余万円などを追加する一方、国庫支出金千九十五億五千百余万円、諸収入千百七十二億七千七百余万円、県債百二十八億八千六百余万円などを減額しております。
また、国の緊急経済対策への対応に係る補正予算については、一般会計で千八百二十九億一千七百余万円の増額、総計では千八百三十億七千二百余万円の増額となります。財源としては、地方交付税七百三十二億八千五百余万円、国庫支出金三百五十七億六千四百余万円、繰入金七百九億円、県債二十六億九千三百余万円などを追加しております。
この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆九千六百九十八億五千四百余万円、総計で二兆二千九百九十四億三千七百余万円となります。

予算外議案については、条例議案十三件、条例外議案二十二件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

まず、条例議案でありますが、議第六十九号議案は、電気事業法等の改正に伴い、発電用原子炉の検査等に関する規定の整理を行おうとするもの、議第七十号議案は、環境創造基金について、基金として積み立てる額の種類を追加しようとするもの、議第七十一号議案は、東日本大震災により被害を受けた者に係る各種手数料の免除の期間を延長しようとするもの、議第七十二号議案ないし議第七十八号議案は、基金の失効期日を延長しようとするもの、議第七十九号議案ないし議第八十一号議案は、審議会等の附属機関を廃止しようとするものであります。

次に、条例外議案でありますが、議第八十二号議案は、一級河川の指定の変更及び廃止について、議第八十三号議案及び議第八十四号議案は、和解及び損害賠償の額の決定について、議第八十五号議案は、宮城県道路公社による有料道路事業の実施の変更に係る許可申請に同意することについて、議第八十六号議案は、財産の処分について、議第八十七号議案ないし議第九十三号議案は、災害廃棄物の処理等に係る工事委託変更契約の締結について、議第九十四号議案は、工事請負契約の締結について、議第九十五号議案ないし議第九十八号議案は、工事請負変更契約の締結について、議第九十九号議案及び議第百号議案は、権利の放棄について、議第百一号議案ないし議第百三号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

お問い合わせ先

広報課企画報道班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2281

ファックス番号:022-263-3780

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