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令和6年2月20日
第三百九十一回宮城県議会追加提出議案知事説明要旨
ただいま追加上程されました令和五年度一般会計補正予算案をはじめ、提出議案の概要を御説明申し上げます。
今年度は、世界的に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症が五類感染症へと移行したことにより、県民生活や社会経済活動の回復に向けた動きが進んだ一方で、光熱費など物価高騰に直面する生活者や事業者への支援が求められるなど、多難な一年でありましたが、「新・宮城の将来ビジョン」に掲げる目標の実現に向けた施策を堅実に進めることができたものと考えております。
また、我が県経済が活力を取り戻していく中でもたらされた半導体及び自動車産業における大手企業の県内進出という朗報には、県全体が大きな喜びに沸いたところであります。今後、関連産業の集積が急速に進んでいくと見込まれており、県としましても、国や大学、関係自治体等と連携して、更なる企業誘致などの取組を強化するとともに、特に半導体産業に関しては、工場の立地に伴い、台湾から来日を予定している従業員とその家族の方々の不安の解消を図り、円滑に操業が開始できるよう支援してまいります。
東京電力福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の海洋放出への対応では、昨年九月に「みやぎ水産応援パッケージ」を打ち出し、国の支援と併せて水産物の消費拡大や関連産業の経営安定に向けた支援を行っております。一方で、今もなお一部の国や地域において輸入禁止措置が続いていることから、引き続き水産業関係者の皆様から御意見を伺いながら、事業者に寄り添った支援を進めてまいります。
人口減少への対応については、子育てしながら働く女性を応援する「みやぎ女性のキャリア・リスタート支援センター」などの新たな施策にも取り組みながら、安心して子どもを産み育てることができる社会の実現に注力しました。また、構造的な人手不足への対応として、インドネシアと人材確保に関する覚書を締結し連携強化を図ったほか、外国人材の円滑かつ適切な就労及び職場定着に向けた取組にも力を入れて進めることができました。業務効率化や生産性向上に資するDXの取組に関しては、産業、福祉や教育などあらゆる分野において、社会課題の解決に向けたデジタル化を推進いたしました。中でも県民向けのDX施策では、デジタル身分証アプリを基盤に、防災、地域ポイント、観光スタンプラリー、インフラ異常箇所通報などの分野で実証実験を重ね、県民に各種サービスや必要な情報を迅速かつ効率的に届けるアプリの効果を実感したところであります。今後も市町村等と連携を図りながら様々な施策を動員して、地域社会が持続的に発展していけるよう、全力で取り組んでまいります。
今年度はこのほかにも、再生可能エネルギー地域共生促進税の導入や仙台医療圏における病院再編、大規模化・多様化する自然災害への備えなど、様々な県政の課題解決に向けて一歩一歩着実に前進させることができたものと考えております。来年度においても、復興完了に向けてきめ細かな対応を図りながら、「富県躍進」を旗印に多様な主体との連携による活力ある宮城を目指すとともに、人口減少や少子高齢化、気候変動などの大きな課題にも気概を持って挑戦してまいる所存でありますので、なお一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
今年度の財政運営については、県税収入や地方譲与税は当初予算を上回る見込みであるほか、国の経済対策の一環として普通交付税の再算定が行われたこともあり、各種事業に必要な財源は概ね確保できる見通しとなりました。一方で、海外景気の下振れや物価動向、金融資本市場の変動等の影響などから、先行きは不透明感が強まっており、引き続き慎重な財政運営に努める必要があるものと考えております。
今回の補正予算案では、物価高騰に対応した経済対策事業に関して、更なる支援が必要な分野に予算を追加するほか、その他の事業について、歳出予算の執行額や財源の確定見込みに伴う計数整理を行いました。また、今後の経済情勢の変化や大規模災害に備える観点から、財政調整基金の残高を一定程度確保するなど、来年度以降の財政運営にも配慮して編成したものであります。
補正予算案の主な内容ですが、経済対策関連として、電気料金等の高騰により厳しい経営状況に置かれている倉庫事業者への支援や水産加工事業者等を対象に省エネ設備等の導入への助成を行うとともに、円安基調の為替相場等を背景に配合飼料価格の高騰が続いている畜産農家への助成を追加します。また、介護事業所や障害福祉サービス事業所における人材確保に向けて、介護職員等の処遇改善を支援するほか、高齢者施設等における防災・減災のための設備整備に対して助成を行います。さらに、小中学校等における情報機器の計画的な整備を行うための基金を造成いたします。
半導体産業に関しては、関連産業の集積と振興を図るための市場調査等を行うとともに、台湾から来日を予定している従業員及びその家族の方々向けの本県のPR素材を作成し、今後の支援に活用してまいります。
このほか、地方創生に関する取組に対して寄せられた企業版ふるさと納税を基金に積み立てるとともに、県有施設の維持更新や長寿命化、社会福祉の推進などの観点から、来年度以降に生じる財政需要を見据え、関係する基金に所要の財源を積み立てたいと考えております。
以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で六百七十三億八千二百余万円の減額、総計で五百七十六億四千八百余万円の減額となります。財源としては、地方交付税百十八億五千四百余万円、県税六十億九千九百万円などを追加する一方、国庫支出金八百二十二億四千九百余万円、分担金及び負担金十七億四千余万円、諸収入十三億一千三百余万円などを減額しております。
この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆七百七十九億百余万円、総計で一兆五千七百六十七億八千三百余万円となります。
次に、予算外議案については、条例議案十三件、条例外議案十八件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。
まず、条例議案でありますが、議第六十一号議案は、小中学校等における情報機器の整備を推進するための基金を設置しようとするものであります。また、議第六十三号議案ないし議第七十一号議案は、国が定める基準の改正に伴い、福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等について所要の改正を行おうとするもの、議第七十二号議案は、緊急雇用創出事業臨時特例基金の失効期日を延長しようとするものであります。
次に、条例外議案でありますが、議第七十四号議案は、県道の路線廃止について、議第七十五号議案ないし議第八十二号議案は、工事請負契約の締結について、議第八十八号議案及び議第八十九号議案は、権利の放棄について、議第九十号議案及び議第九十一号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。
以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
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