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平成23年3月11日,三陸沖で発生したマグニチュード9.0の巨大地震は,宮城県内で最大震度7を記録し,県内全ての地域で震度5弱以上を観測しました。震源域は岩手県沖から茨城県沖までの南北500km,東西200kmの広範囲に及びました。
宮城県気仙沼市では,復興交付金を活用した農地整備事業により,平成27年春から順次営農を再開しています。この農地整備をきっかけに営農組合等が設立され,生産基盤の整備と併せて復興交付金により営農機械の導入や,農業改良普及センターによる営農指導等により営農体制の整備を図っています。気仙沼地区杉ノ下工区では,同地区で被災した農家の方が中心となり,「南三陸ねぎ」の作付けが実施されています。
津波により甚大な被害を受けた本地区では,海岸堤防の流出により海水に沈んだ農地を復旧するとともに,平成24年度から復興交付金を活用した農地整備事業を行い,農作業の省力化や生産性向上を図り,地域の復興に向けて取り組んで来ました。平成27年度より順次営農が再開され,今年中をもって,全413haの農地の復旧工事が完了する見込みです。
本地区は宮城県東松島市の南部沿岸に位置する農業地域であり,東日本大震災により甚大な被害を受けましたが,農地等災害復旧事業及び復興交付金事業により,令和元年度までに145haのほぼ全ての農地で災害復旧が完了しました。また,平成26年に立ち上げられた「奥松島営農再開実証プロジェクト」の一環として,復旧した水田を果樹園として利用する試みが行われており,令和2年度は約3万5千個の桃が出荷されたほか,イチジク,柿の栽培も行われています。
早川海岸は宮城県松島町の南東部に位置する農地海岸であり,東日本大震災により堤防が沈下及び決壊し,防災機能が著しく失われました。平成24年10月より災害復旧工事が始まり,平成28年3月に全ての工事が完了しました。また,海岸東側のJR仙石線が隣接する区間は,平成26年3月までに堤防の復旧工事を完成させ,仙石線の早期全線開通(平成27年5月開通)に貢献しました。
二郷堀排水機場は宮城県仙台市若林区の太平洋沿岸部に位置し,津波の直撃により原形を留めないほどに損壊しましたが,直轄特定災害復旧事業仙台東地区によって復旧工事が進められ,平成27年9月に完成し,「平成27年9月関東・東北豪雨」でもその機能が発揮されました。
本地区は宮城県山元町の沿岸部に位置し,平成26年度から復興交付金を活用した農地整備事業を実施しています。本地区では大区画ほ場整備と合わせた土地利用整序化の取組により、団地化されたハウス施設によるいちごの栽培や,大区画畑地での露地栽培などが行われており,経営の大規模化・高付加価値化による,収益性の高い農業経営の実現に向けた取組が実践されています。
農地整備事業の実施にあたり,大区画ほ場の整備による農業経営体の強化・育成を図るとともに復興まちづくりと連携し,土地改良法の換地制度を使って事業区域内に点在する住宅跡地を集積・再配置することにより,公共用地等として有効活用を図っています。
震災後の沿岸部では,復興交付金を活用した農地整備事業や農業機械・施設のリース事業を契機として,各地で営農組織が設立されました。復旧後の農地において,収益性の高い営農を目指し,様々な工夫を凝らしながら地域農業の再生と発展を担う担い手の取組み事例を紹介します。
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