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こちらは令和2年度に実施したものです。
(R3年度実施「『続』challenge in 宮戸」はこちら)
東松島市・宮戸地域では,今年度,試験栽培を実施します。
この試験栽培は,災害復旧事業を実施したものの,農道が狭小でトラクター等の大型機械の往来が難しいほ場や,水供給が無く天水頼りの営農とならざるを得ないほ場での,営農のあり方を検討するために行うものです。
このようなほ場で営農を続けてゆくためには,省力化・低コスト化・高収益等の実現が課題となります。
(※今回は職員の研修も兼ねているため,大人数での作業となっています)
上記の課題等を解決するため,アスパラガス「採りっきり栽培」,ミニトマトの「ソバージュ栽培」といった栽培方法を試験します。
また,栽培が比較的簡易で,幅広い加工用途がある「サツマイモ」を併せて栽培します。
※アスパラガス「採りっきり栽培」については,石巻農業改良普及センターHPをご覧ください。
※アスパラガス「採りっきり栽培」,ミニトマトの「ソバージュ栽培」は,パイオニアエコサイエンス株式会社の登録商標です。
4月中旬から下旬にかけて,当部職員ほか,関係各所の協力のもと,ほ場を準備しアスパラガスを定植しました。
ほ場の土は硬く,作業前は栽培が不安視されましたが,入念に耕耘を行ったことで無事に定植することができました。
定植したアスパラガスは,来年春の収穫を予定しています。
今後は,5月下旬に改めてほ場の準備を行い,6月にミニトマト・さつまいもの定植を実施する予定となっております。
作業前のほ場
アスパラガスを定植したほ場
5月下旬,当部職員ほか,関係各所の協力のもと,再度のほ場準備を行いました。
今回行ったのは,さつまいも・ミニトマトを定植するほ場の準備です。
数日前の降雨により土が水分を帯びていたため重作業となりましたが,無事にほ場の準備を完了しました。
今回準備したほ場には,6月上旬に定植を実施する予定となっています。
作業(畝立て)の様子
作業(マルチ張り)の様子
作業を完了したほ場
6月5日,関係者一同により現地検討会を開催しました。
現地検討会では,ミニトマトの支柱立て作業と定植を行いました。
また,今回の作業にあたってはパイオニアエコサイエンス株式会社の方に講師としてお越しいただき,作業のポイント等についてご指導いただきました。
現地検討会開会の様子
支柱立てでは,土に支柱を挿しやすくするため,まずドリルで地面に穴開けを行います。
穴開け作業の様子
今回試験する,ミニトマトの「ソバージュ栽培」では,きゅうり用のパイプを用いました。
今回は10mの畝に逆U字型の支柱を2.5m間隔で計5柱立てています。
逆U字型の支柱に,横向きに片側2本の支柱を追加しています。
支柱立て作業の様子
支柱を組み立てたらネットを張って,支柱立て作業は完了となります。
ネット掛け作業の様子
支柱立てを終えたあとは,ミニトマトの定植を行いました。
今回定植したのは実の色が赤・緑・黄・紫の4種類で,畝ごと色を分けています。
実りの季節を迎えたときの,4色の実が織りなす美しい景観が期待されます。
ミニトマト定植の様子
現地検討会後,当部職員及び関係職員,現地検討会参加者の一部により,さつまいもの定植を行いました。
さつまいも定植の様子
定植を完了したほ場は,以下のとおりです。
左:ミニトマトほ場 右:さつまいもほ場
今回定植したミニトマト・さつまいも,そして4月末に定植したアスパラガスは,それぞれ今年の夏・今年の秋・来年の春の収穫を予定しております。
作業完了後のほ場:手前からアスパラガス・さつまいも・ミニトマトです
6月27日と29日の2回に分けて,管理作業を実施しました。
今回実施したのは薬剤散布・ミニトマトの誘引・アスパラガスの支柱設置です。
病害の発生を防止するため,薬剤散布を行いました。
薬液の用意
薬液の散布に際しては,ビニル手袋・マスク・カッパ・ゴーグルを着用し,適切な安全対策を行うことが求められます。
薬剤散布の様子:植物にまんべんなくかかるよう,葉の表面・裏面にまんべんなく薬液を噴霧します。
確実に活着し,樹勢が旺盛になりだしたミニトマトの整枝と,茎を支柱へ誘引する作業を行いました。
この作業は,風通しを良くすることで病害の発生を予防することや,作業性を良くすることを目的として行うものです。
誘引作業前のミニトマト:根元が混んで,風通しが悪そうです。
誘引作業では,ビニールテープや麻紐を用いて茎をきゅうりネット方向に優しく持ち上げて固定します。
誘引作業の様子
併せて,葉欠き・整枝も実施しました。
整枝の様子
以下の写真は,誘引を完了したミニトマトほ場です。
作業前に比べて根元がすっきりし,茎が上を向いてまとまりました。
誘引を完了したほ場
なお,ミニトマトは現在開花しています。
花が落ちて結実しはじめているものも見受けられました。
ミニトマトの花
ミニトマトの実
今回は,アスパラガスの支柱設置を併せて行いました。
成長するとともに自重に負けて茎が倒れてしまうと,地面に接した部分から病害が発生します。
病害の発生を防ぐため,支柱設置を行い茎を立てる必要があります。
作業前のアスパラガスほ場
支柱を地面に挿入する前に,ドリルにより穴開けを行います。
穴開け作業の様子
穴開けを終えたら,支柱設置です。
今回は2m間隔で設置しています。
支柱設置の様子
支柱を設置したら,フラワーネットを掛けてゆきます。
フラワーネットはできるだけ引っ張って支柱に掛けることで,ネット自体の張力により固定しています。
ネット掛け作業の様子
こちらのほ場は風が強いため,支柱が倒れないよう補強の支柱を設置しました。
補強の支柱を設置する様子
最後に,フラワーネットにより苗を立たせて,作業完了です。
フラワーネットにより立ち上げられた苗
作業完了後のほ場
なお,今回作業を実施していませんが,さつまいもも順調に生育しています。
生育が進むさつまいも
作業完了後のほ場
令和2年8月6日,関係者等にお集まりいただき,宮戸地域土地利用支援「宮戸を語ろう」グループワークを開催しました。
まず,試験栽培を実施しているほ場で,フィールドワークを実施しました。
試験ほ場の様子
フィールドワークでは当部職員より宮戸地域で試験栽培を実施するに至った経緯などについて説明した上で,試験ほ場の生育確認を実施しました。
当部職員による説明
試験ほ場を見回る参加者
実ったミニトマト(左上:赤,右上:黄,左下:紫,右下:緑)
次いで,宮城県松島自然の家に移動し,グループワークを実施しました。
このグループワークは宮戸地域の良いところと課題を整理したうえで,地域でできるイベントを考えたものです。
グループワークの様子
参加者からは,様々な意見が出されました。
次回,今回のグループワークで挙がった意見をブラッシュアップしてゆく予定となっております。
グループワーク終了後,4色のミニトマトを用いた「奥松島4色マルゲリータピザ」を試食しました。
自然の家職員の指導のもと,当部職員・農業振興部職員による準備の様子
完成した4色ピザ
ピザを食べる参加者
令和2年10月7日,東松島市鳴瀬庁舎で,関係者等にお集まりいただき宮戸地域土地利用支援ワークショップを開催しました。
今回のワークショップのテーマは,「グループワークの構想(イベント)をブラッシュアップしてみよう」です。
8月6日に開催したグループワークで参加者に出していただいた意見を,さらに掘り下げて検討したものです。
前回出していただいた意見をカードにして貼りました。
まず,前回出していただいたイベントについて,発案していただいた方などから改めてご説明いただき,振り返りを行いました。
次に,各イベントについて仮に実現するとしたら何年後になるかを考えました。
カードを実現見込み年度で整理しました。
そのうえで,近年度中に実現の可能性が見込まれるイベントを取り上げて,参加者で意見を交わしました。
参加者の皆様には経験をもとに様々なアイディアを出していただきました。
さらにそのアイディアに対して参加者で意見を交わすことで,今回のワークショップは参加者の主体性が高く,白熱したものとなりました。
また,アイディアの具体化に向けて積極的に取り組むことを表明いただいた参加者もおられました。
5W1Hをもとに意見を交わしました。
今回のワークショップでは,参加者一同でイベントの構想を共有することができました。
前回のグループワークで発案いただき,今回ブラッシュアップしたイベントについては,今後の実現も視野に入れつつ,更に今後,取組みをすすめてゆく方針としています。
ワークショップの様子
令和2年11月27日,試験ほ場で栽培していたさつまいもを収穫しました。
また,さつまいもの収穫後に松島自然の家にてワークショップ「宮戸イベントを考えてみようパート2」を開催しました。
ワークショップは,10月7日に開催したものの続編となります。
試験ほ場で栽培していたさつまいもを,収穫しました。
栽培数が多いことから当部職員・農業振興部職員・東松島市職員等により11月上旬に試掘を行い,大部分を予め収穫しました。
試掘を行う前の試験ほ場
職員による試掘の様子
2つがねじれ合ったさつまいもが収穫されました
試掘で収穫したさつまいも
山道を歩いてほ場を行き来し,スコップを振るい手で土を掘って収穫する作業は身体への負担がかなり大きいものでしたが,無事に各ほ場から収穫することができました。
単位面積あたりの収量では当県の平均に近い量となりました。
なお,この収穫作業に先立つ10月末,試験ほ場付近に牧草の播種を行いました。
今回播種した牧草は緑肥とするものであり,成長するとクリムゾンレッドの花がひらく品種です。
奥松島の群青色の海と,透けるような青空をバックに,ほ場が紅い花でいっぱいに染まる景観が期待されます。
11月27日,関係者一同にお集まりいただき,残った株を収穫しました。
開会の様子
参加者一同による収穫の様子
収穫されたさつまいも
11月27日,試掘の際に収穫したさつまいもを用い,松島自然の家職員の皆様のご指導のもと当部職員・農業振興部職員により焼き芋の調理を行いました。
調理した焼き芋は,後述のワークショップ開催前に参加者一同で試食しました。
焼き芋調理の様子
焼き芋を試食する参加者
ダッチオーブンにより1時間程度しっかりと加熱した焼き芋は,柔らかく口の中で溶けるような食感で甘みも強いものとなりました。
さつまいも収穫イベント後,松島自然の家に移動しワークショップを開催しました。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から,洗手・検温やマスクの着用,適度な距離の確保といった対策を取った上で開催しました。
左:検温の様子 右:距離を取って着席しました
参加者による企画書の説明
まず,参加者の方に作成いただいた企画書について,プレゼンしていただきました。
食・芸術を組み合わせ,地産地消やSDGsの考え方も取り入れた,宮戸地域の魅力を活かす企画です。
参加者一同は真剣な面持ちで企画書に向かい合っていました。
その後,企画書の内容について,実現に向けた具体的な部分を参加者一同で検討しました。
実現に向けた課題や,活用できる宮戸地域の資源など,幅広い面で多くの意見を出していただきました。
前回に続き,参加者一同の熱意がこもった,白熱したワークショップとなりました。
ワークショップの様子
今後は再び今回参加された皆様等にお集まりいただき,検討を重ねる予定としております。
令和3年3月25日,ワークショップ「宮戸イベント企画 役割について考えてみよう」を開催しました。
今回のワークショップでは,以前に参加者の方に作成いただいた企画書のバージョンアップ版についてご説明いただきました。
参加者によるバージョンアップ版企画書の説明
バージョンアップ版の企画書に基づき,実行委員会におけるスタッフの編成や,イベント開催における各種の検討事項について熱い議論を交わしました。
ワークショップの様子
結果,実行委員会の役職者について割り振りを決めることができました。
また,イベントの実現に向けてより具体的に検討を行ったことで,開催に一歩近づくことができました。
今後については,実行委員会を中心としてイベントの開催に向けさらなる検討や準備を行ってゆきます。
東部地方振興事務所 農業農村整備部では,YouTubeによる情報発信を行っています。
6月5日,試験栽培の概要と,定植までの作業についてまとめた動画を公開しました。
是非ご覧ください。
試験栽培を行っているミニトマトについて,昼間に1時間1回の撮影を行う定点カメラを用いて撮影した生育過程を動画にまとめました。
是非ご覧ください。
試験栽培を行ったさつまいもについて,生育過程を動画にまとめました。
是非ご覧ください。
定植までの作業を,手順ごとまとめました。
以下よりご覧ください。
作業前のほ場の写真です。
硬い土のままでは作業が困難です。
そのため,まずは耕耘機で耕起を行います。
耕起を終えたら堆肥散布を行います。
耕起と堆肥散布を終えたら,施肥を行います。
続いて,畝立てです。
今回,アスパラガスとさつまいもほ場は畝幅60cm・ミニトマトほ場は畝幅90cmで畝立てを行っています。
また,畝の長さは10mとしています。
メジャーを目印として作業を行うと,まっすぐ畝を上げられます。
盛り上げた畝は,鍬などを用いて上面を均します。
畝立てを終えたら,マルチ張りを行います。
まずはマルチを畝の端に合わせて広げ,土で埋めます。
その上で,畝の中央に沿って敷いてゆきます。
敷いたマルチは,2人ひと組で埋めてゆきます。
足でマルチを引っ張るように踏み,土を被せてゆきます。
マルチが風でばたつかないように気をつけて張る必要があります。
(マルチ張りを完了した畝)
土が硬い場合,ドリルを用意して穴を掘るとよいです。
今回は,きゅうり用の支柱を使用しています。
ドリルで空けた穴に,片側ずつ埋め込んでゆきます。
予め何cmまで埋めるか決めて支柱にマーキングしておくと,片側だけが高くなることなく支柱を立てられます。
今回,支柱の両脚の幅は約200cmとしています。
横にも支柱を設置します。
(支柱立てを完了した様子)
立てた支柱に,ネットを張ります。
今回はきゅうり用のネットを使用しています。
(ネット張りを完了した様子)
マルチ張り(ミニトマトは支柱立て)まで完了したら,定植を行います。
アスパラガス・さつまいもは50cmごと1株・ミニトマトは90cmごと1株の間隔で定植しています。
アスパラガスの定植の様子
定植前,苗に充分水を与えます。(水が入ったバケツに,ポット苗ごと入れます。)
定植直後にも,たっぷりと根元から水を与えます。
ミニトマトの定植の様子
ミニトマトもアスパラガスと同様に,定植前に苗に充分水を与えます。
(水が入ったバケツに,ポット苗ごと入れます。)
接ぎ木苗は,台木と接いだ部分が見えるよう浅植で定植します。
(マルチの穴をふさぐように土をかけ,添え木をします)
定植直後には,たっぷりと根元から水を与えます。
さつまいもの定植の様子
さつまいもの定植は,苗の枝分かれ部分がすべて土に埋まるようにするのがポイントです。
作業完了後のほ場の様子です。
※定植後7~10日までは根の活着を促すため,根元が乾燥しないように毎日ひと株あたり500cc以上の水を与えます。
定植後のアスパラガス
定植後のミニトマト
定植後のさつまいも
複数の試験ほ場のなかには,ボックス栽培を試験しているほ場もあります。
このほ場は入口が断崖絶壁となっており,けもの道のような隘路があるのみでした。
複数人で連なるように立ち,リレー方式で土を搬入しました。
土の搬入作業の様子
崖になった箇所では,ブルーシートを滑り台のように使って土を落としました。
ブルーシートを用いて土を搬入する様子
50cm四方の小ボックスと,50cm×100cmの大ボックスの2種類を各2つずつ製作しました。
職員による作業の様子
完成したボックスの写真です。
強度を確保するため,板4枚の周囲に当て木を取り付けています。
定植したアスパラガスの写真です。
定植したミニトマトの写真です。
※写真をクリックすると,各ページに移動します。
(R3年度実施「『続』challenge in 宮戸」はこちら)
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