発生ガス等調査(平成16年度)
調査目的
処分場内及び周辺地域等4地点における環境大気を経時的に採取し、これらの成分分析を行い周辺環境へ与える影響等を調査する。また、処分場内に設置されているボーリング孔から発生ガスを採取し、これらの成分分析を行い周辺環境へ与える影響等を調査する。
調査の方法
(1)環境大気調査
処分場内1地点、処分場近接地1地点及び対照地点2地点の合わせて4地点において、平成16年9月、11月及び平成17年1月の計3回実施した。
なお、対照地点は、地域的な観点から大河原町(仙南保健所屋上)を、また、地形や地質が竹の内地区と類似している観点から角田市横倉地区を選定した。
(2)発生ガス調査
平成15年度に処分場内に設置されたボーリング孔4地点(No.2、3、5、6)において、平成16年9月と平成17年1月の2回実施した。
調査結果
- 環境大気及びボーリング孔発生ガスについて、化学物質全般の調査を行った結果、検出された成分は合計209物質であった。
- 環境大気調査の結果、処分場内、処分場近接地及び対照地点から検出された物質の測定値は、いずれも同等レベルで差がなかった。
- 検出された物質のうち、国で環境基準を定めている物質(ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びベンゼン)については、全て基準値以下であり、国が毎年実施しているモニタリング調査結果と比較しても、全地点で全国のモニタリング結果の範囲内で異常値は認められなかった。
- 臭気に関する成分についても、個々の物質についてみた場合は、一般には、臭気強度2以下(=においの種類はわかるかわからないののかすかに臭うレベル)で処分場内、場外の近接地点、対照地点いずれも差はみられなかった。
- ボーリング孔における発生ガス調査の結果、ガス発生量の増減が見られたものの、メタン等低沸点化合物の炭素数4以上の分解が進んでいる示唆があり、有害大気汚染物質や炭化水素で検出物質数が横ばい又は増加傾向にあったが、濃度は減少傾向であった。
- ボーリング孔において検出された物質のうち、高濃度(1,000μg/立方メートル以上)を示したのはメタン、エタン等14成分であった。また、臭気に関する成分については、各地点で硫化水素が臭気強度5以上(=強烈なにおい)に相当する濃度で検出された。