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この地域は、山形県との県境に連なる奥羽山脈の中腹に位置しており、加美(かみ)町の魚取沼(ゆとりぬま)を中心とする地域です。
魚取沼は、標高620mのブナ原生林の中に地滑りによってできた面積約3.3haの山地湖で、国指定の天然記念物であるテツギョが生息しています。沼の周辺は、ヤナギ林、ヤチダモ林が分布し、岸はミツガシワ、オオカサスゲの多い湿生群落になっています。
この地域は、全地域が特別地区として厳しい規制により保護されているほか、テツギョの捕獲、殺傷が禁じられています。
なお、この地域に車で乗り入れることはできませんので、国道から歩くとすると片道3時間は見ておかなければなりません。
ブナに囲まれた魚取沼(夏) |
魚取沼(秋) |
この地域は、典型的な日本海型のブナ林でおおわれています。高さ25m前後のブナにホオノキ、コシアブラ、ハウチワカエデなどが混生しており、その中に日本海型植生要素であるチシマザサ、ヒメモチ、エゾユズリハ、ヒメアオキなどが多く見られます。
一方、多雪地のため、タニウツギやヒメヤシャブシの多い、いわゆる雪崩(なだれ)植生を急斜面の随所に見ることができます。
体はフナによく似ていますが、尾ひれがキンギョのように長いのが特徴で、全体的に黒さび色をしているためにテツギョと命名されています。
全国の川や池でもごくまれに見られることがありますが、魚取沼のように群れをなして生息している例は極めて珍しく、学術的にたいへん貴重な存在です。
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