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この地域は、阿武隈山地の北部、角田(かくだ)市に位置し、標高238mの斗蔵山(とくらやま)を中心とした地域です。
斗蔵山の南及び東斜面には、モミ・ウラジロガシの極相林が見られます。ここでは樹高18m前後、直径50cm~100cmのウラジロガシが密生し、林内の所々に樹高23m、直径100cm内外のモミの大木が頭を飛び出させています。
ウラジロガシは、宮城県を北限とする常緑広葉樹で、県内で林を形成している地域はきわめて少なく、この地域のまとまった極相林は学術的にきわめて貴重なものになっています。このウラジロガシ極相林の見られる約12haは、特別地区として大切に守られています。
斗蔵山遠望 |
本県の南東部、阿武隈山地に含まれる丘陵地帯は冬でも暖かいところで、冬期の月平均気温が1℃以上と、暖帯生のカシ林が分布する範囲内にあります。斗蔵山のウラジロガシ林は比較的面積が広く、学術参考保護林として保護されています。
この山の森は、古くから斗蔵寺、斗蔵神社の鎮守の森として大切に守られてきており、森一帯がウラジロガシ、モミ、イヌブナ、カヤ、アサダ、ケヤキなどの高木でおおわれ、下生えにはヤブツバキ、シロダモ、アオキ、テイカカズラ、マツブサ、ジャノヒゲなどが目立ちます。
斗蔵の森 |
斗蔵寺は坂上田村麻呂が千手(せんじゅ)観音をまつったのが始まりと言われており、山は全体が神聖なものとして古くから土地の人々に崇(あが)められてきました。
斗蔵山は江戸時代にも留山(とめやま)として木竹の伐採が禁じられていましたが、特にカシの木に対しては規制が厳しく、角田の領主石川家でさえカシの木を切ることは許されませんでした。
こうして人々のあつい信仰と為政者(いせいしゃ)の保護施策とによって、斗蔵山の森は自然のままの姿で現在に残されたのです。
斗蔵寺 |
宮城県南部及び新潟県以南の本州と四国、九州、沖縄、台湾で見られるブナ科の暖帯生常緑広葉樹です。
まっすぐに直立した幹から枝を大きく広げ、大きなものになると高さが20m、直径は1mにも達します。
その名が示すとおり、葉の裏側が白色をしており同属のシラカシに似ていますが、少しよじれたような柔軟な葉が特徴です。
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