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指定地域は,宮城県加美町小野田地内の,山形県尾花沢市に至る国道347号線,県境の鍋越峠の北約1.5km,標高約500mに位置する商人沼及び周辺湿地です。近隣には国の天然記念物である「テツギョ」の生息する魚取沼などの池沼が点在しています。
商人沼及び沼の周辺湿地には,宮城県レッドリストの絶滅危惧種であるヒメミクリを始めとする貴重な池沼植物などが生育しています。
また,植物の残骸で構成される浮島状泥炭地が発達した湿地と現在も生成過程である浮島が存在し,これら特異な植生・景観は県内唯一です。
商人沼概要 |
この地域には,水生植物と湿性植物に特徴のある種が豊富に見られます。
沼の周辺湿地は,ウロコミズゴケ,オオミズゴケ,ヒメミズゴケの3種類のミズゴケで覆われており,ここには,サワギキョウ,ミツガシワ,モウセンゴケ,ミズオトギリ,エゾリンドウ,アギナシ,ムジナスゲ,ヤチスゲ,ヒメカイウなどが生育しています。このうち,オオミズゴケ,サワギキョウ,アギナシ,ヒメカイウは宮城県レッドリストにおいて絶滅危惧種に指定されています。
特にヒメカイウは,当該湿地に群生しており,県内の分布域が局限されている中で,商人沼は大変貴重な生育地となっています。
また,沼の湖面には,浮葉植物であるジュンサイやヒツジグサ,コウホネが広く覆い,季節ごとに変化しながら独自の景観を保ち,この地域の自然の豊かさを物語っています。
在来種
商人沼の湿性植物 |
ヒメカイウ |
浮島 |
沼の湖面の中に,様々な浮島が見られます。
この浮島は,ジュンサイの株の根茎が湖底でマット状に著しく密生し,老齢化に伴い枯死状態のまま剥離して浮き上がったものであり,商人沼では現在もこれらが生成過程にある極めて貴重な現象が確認できます。
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