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愛宕山は、南北に延びる阿武隈山地の北部、亘理(わたり)町に位置し、稜線から東に張り出した枝尾根の先端にあるため目立った景観をしており、阿武隈山地の各地で見られる端山(はやま)(葉山)信仰と同じく山頂には愛宕神社が祀られていました。また、かっては沿岸で操業する漁船の目印になるなど、地域生活や精神文化の象徴として、古くから地域の人々に広く親しまれてきました。
愛宕山の山麓はスギの造林地で囲まれていますが、中腹以上では落葉広葉樹林が広がっています。この中には県内では希少となったイヌブナ-スズタケ群落が小規模ながら見られるほか、ウラジロガシ等の常緑広葉樹も林内に広く点在しています。
愛宕山遠景(亘理町役場から) |
愛宕山の森は、以前は薪炭林として利用されてきましたが、薪や炭の需要が無くなって山に人手が入らなくなったため、稜線付近のコナラ・クリ二次林内では遷移が進行し、小規模ながらイヌブナ-スズタケ群落が形成されています。
また、山頂にあった愛宕神社は作神信仰(農業の振興を祀る神)の対象として古くから地域に根ざしており、参道沿いには長い間手を入れて残したと思われるウラジロガシの高木を見ることができます。
なお、現在は亘理町の市街地にある亘理神社に合祀され、山頂に祠、参道に石段と石碑が残るのみとなっています。
愛宕山山頂の祠 |
アカゲラ |
愛宕山は古くから里山として利用されていた地域です。ここでは、シジュウカラやコゲラ、アカゲラなどのほか、林縁でウグイス、ホオジロなどを見ることができます。また、自然度が高い環境に生息するとされているフクロウが留鳥として生息しています。
春から夏にかけては、サンコウチョウ、オオルリ、キビタキ、カッコウなどが飛来し、秋から冬にかけては、ミソサザイやキクイタダキ、ジョウビタキなどの冬鳥を見ることができます。
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