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指定地域は,県の北西部加美郡加美町(旧小野田町)に位置し,「県立自然公園船形連峰」と加美富士で知られる「薬莱山」の西側に囲まれている地域です。
この地域一帯は,火山と河岸段丘でつくられた原地形が大規模な地すべりによって造られた複雑な地形となっており,その変化に伴い錯そうした水系になり,地域内には多数の池沼と湿地が形成され,名称がある沼だけでも28箇所もあります。この池沼周辺は豊かな動植物相を有し,希少種も多数存在しています。
荒沢全景 |
スゲ沼 |
この地域のほぼ全域がスゲ沼地すべり地と呼ばれており,この地すべり運動によって地形が変形するなど特有の地形や水系が幾多にも展開しています。この地形変化に伴い,多数の凹地が形成され小規模な池沼や湿地が形成されています。一方,地質は主に新第三系の凝灰質の砂岩と泥岩などからなる小野田層と船形火山砕屑物などで形成されています。
ミズバショウ |
この地域内には池沼や湿地が多いため,水生植物や湿生植物に特色のある種が豊富に見られます。特にシダ植物のヤチスギランやメニッコウシダ,スゲ類のシラカワスゲやヤチスゲ,水生植物ではホソバヒルムシロなど県内では産地が少なく希少な種が生育しています。植生はスギやアカマツなどの人工林が多くを占めていますが,自然植生のブナ林やコナラ林などの森林群落やこの地特有の湿生植物群落や水生植物群落も発達しています。また,田谷地地区のハンノキ林は林床に町の天然記念物であるミズバショウが群生し,春先の開花は見事です。
この地域には特別天然記念物であるニホンカモシカやツキノワグマなどが生息しています。また,鳥類はアカショウビンをはじめオオタカやイヌワシ,サンショウクイなども生息しています。この地域で特徴的な昆虫類はイトトンボ科であるカラカネイトトンボやルリイトトンボで県内唯一の生息地となっています。その他にも甲虫類であるエゾゲンゴロウモドキやキンイロハエクイムシなどの希少な種が多数生息しています。
在来種
アカショウビン |
ルリイトトンボ |
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