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本県では,「みやぎ食と農の県民条例」(平成12年7月施行)に掲げる基本理念の実現を図るため,食と農に関する施策を総合的に推進する目的で「第2期みやぎ食と農の県民条例基本計画」(平成23年3月改訂)を策定し,これに基づき農業農村整備部門の実施計画として「第2期みやぎ農業農村整備基本計画」を策定(平成23年3月改訂)しています。
この「第2期みやぎ農業農村整備基本計画」の基本方向のひとつである「農業・農村の多面的な機能の発揮」の推進に向けた具体的な取組事項を示すアクションプランとして「みやぎの農業水利施設ストックマネジメント推進計画」を取りまとめたものです。
「みやぎ農業水利施設ストックマネジメント推進計画」(PDF:3,286KB)
本県では「宮城県の良質米」を生産するために用排水施設が重点的に整備されてきましたが,これら施設は現在老朽化が始まり整備補修や更新が必要な時期であり,施設の持続的な機能の発揮が困難な状況を迎えています。「農業水利施設ストックマネジメント」は,農地・農業用施設等の生産資源および農村が有する自然環境,景観等環境資源を良好に維持・保全していくことで施策の「農業・農村の多面的な機能の発揮」を推進するものです。
穴山揚水機場分解状況
登米市浸水被害状況
農業水利施設の適切な整備補修,施設更新を行わなかった場合,施設の機能停止により,用水供給に重大な影響を及ぼしたり,大雨の際には適切な排水が困難となり,農作物や農村部への浸水被害が起きる可能性があります。
ストックマネジメントとは、「施設の機能診断に基づく機能保全対策の実施を通じて,既存施設の有効活用や長寿命化を図り,LCC(ライフサイクルコスト)を低減するための技術体系及び管理手法」のことです。
このことにより,施設の状態を的確に評価し,将来的な施設の状態を予測するとともに更新時期や,整備補修・更新費用等の平準化及び最小化を図るために,いつ,どのような対策を行うことが最適であるかを考慮して,計画的かつ効率的に維持管理していくことができます。
※LCC(ライフサイクルコスト)とは・・・建設から修繕費,保全費,光熱費,廃棄処分費まで含めたトータルコストのこと
施設区分 | 全施設数(割合) (1) |
標準 耐用年数 |
同左超過 施設数(2) |
比率 (2)/(1) |
---|---|---|---|---|
用排水機場 | 2,081(53%) | 20年 | 1,560 | 75% |
頭首工 | 1,060(27%) | 50年 | 759 | 72% |
水門等 | 812(20%) | 30年 | 514 | 63% |
計 | 3,953(100%) | - | 2,833 | 72% |
農業を支えてきた用排水機場(ポンプ場)や頭首工(堰)等の農業水利施設は,県全体で約4千施設に及んでいますが,その7割以上は既に標準耐用年数を超過し更新時期を迎えています。
潜ヶ浦(かつぎがうら)第2排水機場
機場の内部状況
県財政や農業情勢等から更新ニーズへの対応が困難な状況にあるため既存の農業水利施設の適切な機能診断と予防保全対策により長寿命化を推進し,施設のライフサイクルコストの低減を図ります。
長寿命化対策が取り組まれ,近い将来に更新が必要な施設については,計画的かつ機動的な更新整備を実施することにより,農産物の安定生産や農業水利施設の持つ多面的機能の維持増進を図るものです。
成果目標 | H27 | H32 |
---|---|---|
基幹的な農業水利施設の機能維持する対策を行った施設数 | 100箇所 | 220箇所 |
※受益面積100ha以上の用排水機場のうち,平成22年度から平成32年度までに,農業農村整備事業で保全対策工事の実施を予定する施設数。
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