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令和5年6月22日,水土里ネットみやぎ東部支部,水土里ネットみやぎの主催で「農地等震災復興現場検討会」が開催されました。
検討会は,平成23年3月11日に発生した東日本大震災から12年が経過し,甚大な被害を受けた農地の復旧・復興に関する事業が全て完了となったことから開催されたもので,当部では各地区の現場説明を行いました。
復旧・復興にあたっては,地方自治法に基づき他県から職員を派遣いただいており,今回の検討会では,東部地方振興事務所及び気仙沼地方振興事務所へ派遣された皆様にも参加いただきました。
現場検討会が実施された地区
まず,東松島市の旧鳴瀬町に位置する「奥松島地区」での現場検討が行われました。
(左:「洲崎・東名工区」(平成29年度撮影),右:うち「亀岡工区」(平成30年度撮影))
当地区は東日本大震災による津波で農地の浸水・海没,堤防の破堤等,甚大な被害を受け,平成26年度から令和3年度まで,農山漁村地域復興基盤総合整備事業で農地復旧及び農地整備を行いました。
併せて,復興後の営農のかたちを探るべく,関係機関と共に「奥松島地域営農再開実証プロジェクト」を立ち上げ,水稲・畑作物の試験栽培を実施しました。当地区では,令和3年度までに全面的な営農再開を迎えています。
検討会では,はじめに,鳴瀬土地改良区の横山理事長と東松島市の渥美市長から挨拶を頂戴しました。
(左:鳴瀬土地改良区 横山理事長からの挨拶,右:東松島市 渥美市長からの挨拶)
続いて,当部より本地区における農地復旧・復興について説明を行い,その後,震災後の平成27年3月に設立され,当地区の約100haで営農を行っている「農事組合法人奥松島グリーンファーム」から現在の営農状況と今後の水稲や飼料用米等の栽培の目標についてお話をいただきました。
(左:「奥松島地区」の説明の様子,右:「奥松島グリーンファーム」からのお話の様子)
続いて,東松島市の旧矢本町に位置する大曲排水機場にて,「大曲地区」の現場検討が行われました。
(左:平成23年4月撮影,右:平成27年10月撮影)
当地区は平成21年度に採択された農地集積加速化基盤整備事業での区画整理の実施中に東日本大震災が発生し,津波による泥や砂,瓦礫の堆積,地盤沈下などの甚大な被害を受けました。
そこで,農地農業用施設等災害復旧事業と農山漁村地域復興基盤総合整備事業において農地復旧と併せた農地整備を実施し,平成28年春に全面的に営農を再開しています。
大曲排水機場は震災の津波によって流出しましたが,国営の「定川特定災害復旧事業」において,農林水産省,宮城県及び東松島市の3者共同で再建されました。
検討会では,まず河南矢本土地改良区の門間理事長から挨拶をいただき,東松島市の渥美市長からは震災当時の当地区の様子等のお話を頂戴しました。
(左:河南矢本土地改良区 門間理事長からの挨拶,右:東松島市 渥美市長からの挨拶)
続いて,当部から地区概要について説明を行いました。その後,震災後の平成24年12月に設立され,地域農業の約7割を担っている「株式会社 ぱるファーム大曲」より,震災当時は本地区で営農を再開できるか不安であったこと,現在は約100haの面積で水稲や大豆などを栽培していること等についてお話をいただきました。
(左:「大曲地区」説明の様子,右:「ぱるファーム大曲」からのお話の様子)
そして,大曲排水機場内の見学が行われました。
(左:大曲排水機場,右:同機場内の見学の様子)
最後に,石巻市河北に位置する「大川地区」での現場検討が行われました。
(左:「長面工区」平成28年6月撮影,右「長面工区」令和5年5月撮影)
本地区は,平成10年度から県営ほ場整備事業を実施し,平成24年度に事業完了を予定していたところ,東日本大震災で甚大な被害を受けました。うち「長面工区」においては,長期間にわたって農地が水没していました。
当地区では,農地復旧の他にも河川・道路・海岸・漁港・林野に関しての復旧復興工事も実施されており,各工事間での密な調整を重ねながら,農地農業用施設等災害復旧事業と農山漁村地域復興基盤総合整備事業において,単なる復旧にとどまらない復興のための整備を実施しました。
令和3年春には全面的に営農を再開しており,現在はスマート農業を推進するため,農地耕作条件改善事業を実施しており,GNSS基地局整備などを行う予定です。
検討会では,はじめに北上川沿岸土地改良区 大内理事長より挨拶を頂戴し,その後,当部より当地区の概要の説明を行いました。
(左:北上川沿岸土地改良区 大内理事長からの挨拶,右:「大川地区」説明の様子)
そして,震災後の平成25年5月に設立された「株式会社宮城リスタ大川」から,約190haほどで水稲やきく栽培を行っていること,オリーブ栽培に取り組んでいること,そして後継につなげられるように営農を行いたいといったことについてお話をいただきました。
(「リスタ大川」からのお話の様子)
今回の現場検討会は,復興のために尽力いただいた他県からの派遣職員の皆さんに現在の管内の農地を実際に見ていただく機会となり,感謝の思い,そして今後の営農に向けての思いをお伝えする機会となりました。
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