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国の文化審議会は,平成29年11月17日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,定義如来西方寺5棟(仙台市)を登録有形文化財(建造物)として登録するよう文部科学大臣に答申しました。この結果,この答申を受けて行われる官報告示を経て,県内では142件の建造物が文化財に登録されることとなります。
西方寺では,平清盛・重盛に仕えた平貞能(さだよし)が平家没落後にこの地に隠れて名を「定義」と改め,守り本尊の阿弥陀如来画像を祀って平家一族の冥福を祈ったと伝わり,建久9年(1198)の貞能没後に従臣が建てた小堂が現在の御廟貞能堂(旧本堂)の起源とされています。その後,宝永3年(1706)にその従臣の子孫が開創したのが西方寺であり,境内は昭和前期に整備された姿を伝えています。西方寺は今も多くの参詣者を集めており,「定義さん」として広く親しまれています。
【画像提供 仙台市教育委員会】
西方寺のもと本堂で,気仙大工(けせんだいく)の設計・施工により昭和2年に建立された。平面は六角堂で,屋根は銅板葺,頂部に宝塔(ほうとう)屋根をのせる。西方寺では本堂の建て替えが禁じられており,堂内ではそれ以前の本堂の古材の柱・梁がそのまま使用されている。総体として装飾豊かで,特に向唐破風付向拝(むかいからはふつきごはい)並びに内部廻廊正面脇(風神雷神)の彫刻は精緻を極めている。
【画像提供 仙台市教育委員会】
御廟貞能堂の前方に建つ木造平屋建の御守授所。小ぶりな建物であるが,屋根を入母屋造銅板葺とするなど本格的なつくりを示す。御廟貞能堂と同じ気仙大工の設計である。昭和2年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
参道の北に建つ。木造平屋建で,屋根は入母屋造銅板葺。設計は御廟貞能堂と同じ気仙大工。虹梁形頭貫(こうりょうがたかしらぬき)や菱格子欄間(ひしこうしらんま)など,装飾豊かな鐘楼堂である。昭和7年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
参道の南側に建つ切妻造銅板葺の手水舎。小規模ながら天井を有し,また躍動感ある彫刻で飾られる。本格的な意匠を備える境内建物である。昭和8年頃の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
境内の入口を画す,三間一戸(さんげんいっこ)の二重門。屋根は入母屋造銅板葺とし,上層正面側中央に軒唐破風(のきからはふ)を付す。虹梁(こうりょう)より上に多量の彫刻を施し,猿の造形など創意にあふれ,彫刻師の技量が発揮されている門である。
【画像提供 仙台市教育委員会】
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