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国の文化審議会は,平成30年11月16日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,青葉神社6棟(仙台市),遠藤家住宅2棟(石巻市),旧平野本店1棟(気仙沼市)を登録有形文化財(建造物)として登録するよう文部科学大臣に答申しました。この結果,この答申を受けて行われる官報告示を経て,県内では159件の建造物が文化財に登録されることとなります。。
青葉神社は,明治6年に藩祖伊達政宗を祀る神社として創建されました。現在の主要な建物は,宮城県技師の設計で,旧仙台藩御大工を棟梁として,大正期から昭和前期にかけて建て替えられたものです。
前室の付く三間社流造(さんげんしゃながれづくり)で,屋根は銅板葺。木鼻(きばな)は幾何学的な意匠を示すが,蟇股(かえるまた)は中世の様式を採用するなど,伝統形式・意匠を巧みに構成し直した近代の神社建築である。大正13年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
本殿正面の透塀(すきべい)に開く中門と,その背面に棟を直交して接続する祝詞舎。いずれも屋根は切妻造(きりづまづくり)銅板葺。本殿と共通の細部意匠をもつ,上質な建物である。昭和2年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
本殿の周囲を結界する木造銅板葺の塀。良材を用いた精緻なつくりで,本殿の周辺を格調高く整える。昭和2年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
本殿正面に南面して建つ。屋根は入母屋造(いりもやづくり)銅板葺,内部は畳敷で格天井(ごうてんじょう)を張る。整然とした参道の突き当たりに位置し,近代的な社頭(しゃとう)景観の中核をなしている。昭和2年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
拝殿の北西に建つ。神饌所は入母屋造銅板葺で,東面に設けた切妻造銅板葺の伝供廊で拝殿と接続する。拝殿と融和して近代的な社頭景観を形成している。昭和4年頃の建築。
拝殿前方に南面して建つ。屋根は入母屋造銅板葺。内部は畳敷で格天井を張る。小規模ながら,拳鼻(こぶしばな)や肘木(ひじき)に本殿と共通の絵様をもつ上質な建物である。昭和4年の建築。
【画像提供 仙台市教育委員会】
遠藤家は,旧は中世陸奥国領主である葛西氏の家臣で,江戸期は肝入を務めた旧家です。屋敷は山裾にあり,主屋のまわりに附属屋が配置されます。
敷地中央に南面して建つ。桁行15間の規模を有し,屋根は切妻造桟瓦葺。県東北部にて気仙大工が手がけた住宅のなかでも屈指の上質なつくりである。明治29年の建築。
主屋西側に東面して建つ文庫蔵。土蔵造2階建,屋根は置屋根形式の切妻造妻入。内部は半間毎に柱を立てて堅牢につくる。旧家の伝統的な屋敷構えを形成している。明治29年頃の建築。
【画像提供 石巻市教育委員会】
平野本店は,大正初期創業の洋品雑貨店で,のちに味噌醤油を販売した商家です。旧の店舗兼主屋が東浜街道と気仙沼街道が合流する角地に建ちます。
木造2階建で,南の洋風建築店舗と北の寄棟造(よせむねづくり)鉄板葺住宅からなる。店舗は2階に半円アーチ窓を並べ,大ぶりのパラペットを立ち上げるなど,外観を華やかに仕上げる。大正10年頃の建築。
【画像提供 気仙沼市教育委員会】
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