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国の文化審議会は、平成27年3月13日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、松谷家住宅(大崎市)の下記の建造物8棟を,登録有形文化財として登録するよう文部科学大臣に答申しました。この結果、この答申を受けて行われる官報告示を経て、県内では106棟の建造物が登録されることとなります。
松谷家住宅は,古川旧城下に位置する,もと商家の住宅です。明治天皇巡幸時に宮家等の宿泊に供され,特に主屋の座敷部では質の高い造作が見られます。
敷地内には,文庫蔵,砂糖蔵,大豆蔵といった土蔵などの倉庫群が並び建っています。特に石造2階建の岩蔵は,敷地形状に合わせた不等辺四角形の平面を持ち,壁頂部や入口部などは装飾的に仕上げられています。
旧家の表門として風格を示す表門や,小規模ながら,千木(ちぎ)や勝男木(かつおぎ)を載せて本格的なつくりとする明神社などを含めて登録され,屋敷構え全体の保存が図られることとなりました。
上質な書院座敷をもつ住宅主屋。玄関脇の雨戸戸袋の意匠も目を引く。明治時代前期の建築。
【写真提供:佐々木文彦・大沼正寛】
生活用品を納めた漆喰塗(しっくいぬり)の土蔵。部分的に鏝絵(こてえ)を施した黒漆喰(くろしっくい)塗による装飾が施される。江戸時代末期の建築。
商品の砂糖を納めた漆喰塗(しっくいぬり)の土蔵。正面には長大な庇(ひさし)がかけられる。明治時代前期の建築。
商品の大豆を納めた蔵で,板蔵(いたぐら)形式ながら立て並べられた柱の間は白漆喰壁となっている。庇を支える部材も意匠を凝らしている。明治時代中期の建築。
米を保管した石造(せきぞう)倉庫。平面形が不整四角形であり,小屋組(こやぐみ)にも大工の工夫が見られる。明治時代後期の建築。
【写真提供:佐々木文彦・大沼正寛】
宅地内に建てられた木造の祠(ほこら)。小規模ながら随所に手の込んだ彫刻が施されている。明治時代前期の建築。
【写真提供:佐々木文彦・大沼正寛】
表通りに面する大型の門。材料は総ケヤキで,商家の表門として風格のある構えを示す。明治時代前期の建築。
【写真提供:佐々木文彦・大沼正寛】
表門から入った路地に開く小規模な門。庭と調和した数寄屋風(すきやふう)の意匠をもつ。明治時代前期の建築。
【写真提供:佐々木文彦・大沼正寛】
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