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国の文化審議会は,平成30年5月18日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,旧大沼家住宅10棟を,重要文化財(建造物)として指定するよう文部科学大臣に答申しました。
旧大沼家住宅は,村田町村田伝統的建造物群保存地区(平成26年選定)に所在する豪商の屋敷です。平成10年に建物群が村田町に寄贈され,現在は「村田商人やましょう記念館」として公開されています。
県内の重要文化財(建造物)の指定は,平成28年の東北学院旧宣教師館(仙台市)以来2年ぶりで,商家建築としては初めてとなります。今回の答申の結果,数ヶ月後に行われる官報告示を経,宮城県の国宝・重要文化財(建造物)は22件(53棟),うち国宝は3件(4棟)となります。
●東北地方における商家建築の発展の様相を示す建物群
所在地:柴田郡村田町大字村田字町
所有者:村田町
旧大沼家住宅は宮城県南部の村田町村田伝統的建造物群保存地区内に所在します。近世に紅花(べにばな)商,近代には味噌醤油等の製造販売で財をなした大沼正七家の店舗及び住宅です。
敷地前面に重厚な意匠の店(たな)(明治7年建築)と表門(おもてもん)(同32年)を並べる豪壮な表構え,格調ある店の内部構成,店の背後に建つ本宅(ほんたく)(大正5年建築)の形式などに,近代に発達した当地区の商家建築の特徴をよく示します。また敷地奥に土蔵群を一列に並べ,その向かい側に前座敷(まえざしき)などを配する建物配置は,当地区の最上層商家の特徴を備えています。近世以来の屋敷構えの変遷も概ね明らかで,東北地方における大規模商家建築の発展の様相を理解するうえで高い価値を有しています。
※ 旧大沼家住宅は,平成29年3月29日付けで宮城県指定有形文化財(建造物)に指定されていた建造物です。
【画像提供 村田町教育委員会】
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