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国の文化審議会は,平成28年3月11日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,當信寺(白石市)の下記の建造物2棟,一條旅舘(白石市)の下記建造物3棟を,登録有形文化財として登録するよう文部科学大臣に答申しました。この結果,この答申を受けて行われる官報告示を経て,県内では119棟の建造物が登録されることとなります。
當信寺は,白石城下南東に境内を構える寺院です。
本堂は,浄土宗に典型的な平面を見せ,要所を装飾します。山門は,白石城二之丸大手二之門(にのまるおおてにのもん)の部材を用いたと伝わる門で,近世から近代へ移り変わる旧城下の歴史をしのばせる建築です。
一條旅舘は,白石市郊外の鎌先温泉の湯治宿です。鎌先温泉は正長元年(1428)の開湯と伝わる湯治場で,一條旅舘はその細長い谷の最奥に位置します。
木造本館は,高欄と木製建具を連ねる瀟洒(しょうしゃ)な外観,スギの良材を多用し過半を通し柱とする点が特徴です。それに連なる湯向棟ともに,昭和初期の大規模木造建築の好例と言えます。
平面は,正面1間通りの広縁と,その奥の外陣,そして内陣・脇間からなる浄土宗本堂の典例。
仙台藩絵師佐久間六所(さくまろくしょ)の天井画がある。天保2年(1831)の建築。
【写真提供:白石市教育委員会】
白石城二之丸大手二之門の部材を用いて建てられたと伝わる三間一戸門(さんげんいっこもん)。
上部には鐘楼(しょうろう)をのせる。明治20年の建築。
【写真提供:白石市教育委員会】
昭和12年の豪雨被害後,昭和16年に建て替えられたもので,1階から3階まで四周に廊下を
廻らして客室を並べる。昭和初期大規模木造建築の好例。
【写真提供:白石市教育委員会】
昭和8年の建築。木造本館と同じく,各階に廊下を廻らして客室を並べる。
昭和初期の大規模木造建築の好例。
【写真提供:白石市教育委員会】
敷地最奥の一段高い位置に建つ土蔵。扉を土扉・板戸・格子戸の三重とするなど,質が高い。
明治前期の建築。
【写真提供:白石市教育委員会】
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