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国の文化審議会は,平成27年7月17日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,森民酒造店(大崎市)の下記の建造物8棟を,登録有形文化財として登録するよう文部科学大臣に答申しました。この結果,この答申を受けて行われる官報告示を経て,県内では114棟の建造物が登録されることとなります。
森民酒造店は,史跡及び名勝である旧有備館および庭園の東側に位置する造酒屋です。
店舗兼主屋の正面は,漆喰(しっくい)仕上げとし,出格子(でごうし)と漆喰枠の窓を設けた特徴的な外観で,街路景観に寄与しています。居室を中心とした居宅の洋間や奥座敷,離れ座敷に見られる数寄屋意匠(すきやいしょう)などに,それぞれの時代的特徴を良く示します。敷地内には,家財道具を収納した北土蔵のほか,酒造を担う建造物として,釜屋,酒造蔵,煙突が残ります。釜屋は大釜で酒米を蒸した間口の広い切妻造(きりづまづくり)で,北方の煉瓦造煙突から排煙します。釜屋の西には酒造場を特徴付ける大型の酒造蔵が接続するなど,蔵元の屋敷構えが良く残っています。
正面側に土間と板間のミセを配し,背面側を座敷とする。街路景観に寄与する建物。明治16年頃の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
和風意匠を基調としつつ,一階北室に上下窓,ベイウインドウ,天井中心飾を飾る。
大正期らしい洋間付住宅の好例。大正期の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
軒に細丸太と角形の化粧垂木(けしょうだるき)を交互に配るなど,数寄屋意匠を加味した座敷棟。明治後期の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
隠居屋として建てられた座敷。庭側にガラス窓を多用し,開放的なつくりとする。昭和10年頃の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
大釜で酒米を蒸す建物で,内部には焚口があり,煙突へ排煙する。
酒造工程の一端を伝える大型釜屋。明治16年頃の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
酒造場を特徴付ける大型の酒蔵で、周囲の景観に寄与している。明治16年頃の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
外壁は漆喰塗で鉢巻(はちまき)を廻らし,腰には塩竈石を張り,地方的特色を備える。明治後期の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
高さ16mの煉瓦造煙突。造酒屋を象徴する地域のランドマークとなっている。昭和前期の建築。
【写真提供:大崎市教育委員会】
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