ここから本文です。
平成15年7月17日(木曜日)~19日(土曜日),9月8日(月曜日)~12日(金曜日),10月6日(月曜日)~7日(火曜日)の3回にわたり,中国の農業水利技術者が研修のため宮城県を訪れました。
この研修員はJICAプロジェクト「中国大型灌漑区節水かんがいモデル計画」(外部サイトへリンク)のカウンターパートで,北京市,甘粛省,陝西省,湖南省で活動しています。日本の研修で得た知識を中国に持ち帰り,プロジェクトの推進に役立てることになっています。
地下灌漑は節水灌漑を進める上での有効な手段です。平成15年9月10日,研修員一行5人は地下灌漑を実践している南方町の水田(大規模ほ場整備事業旧迫川地区)を視察しました。
日本の農業の現状について知りたいという研修員の強い希望で,南方町の専業農家を訪問し,農業経営等について意見を交換しました。大久保さんは南方町水稲部会の代表、環境保全米ネットワーク(外部サイトへリンク)の理事を務めているほか、宮城県のエコファーマーの認定を受けており、食農教育やアイガモ農法など食・農・環境の課題に積極的に取り組んでいます。研修員は環境保全への取組や経営感覚の鋭さに感銘を受けていました。
「研修」は中国でのプロジェクトの大きな柱です。宮城県公務研修所,東北6県自治研修所では研修企画をテーマに意見交換等を行いました。
中国では人口増加,社会経済の急激な発展等により工業用水及び生活用水が急速に増加し,「黄河の断流」や地下水の急速な枯渇問題等の環境悪化を引き起しており,中国社会経済の持続的発展の重大な制約要因となっています。
中国の水資源利用のうち農業用水は7割以上を占めますが,水利施設の老朽化・損壊や,計画経済体制の下,水利費が比較的安価に設定されたこと等により,農民のかんがい用水の浪費も目立っています。このようなことから農業用水の有効利用率は約40%にとどまっており,かんがい分野における水利用の効率化は,極めて重大な課題となっています。
中国水利部では節水かんがいを全国的に展開し,農業用水の利用効率の向上を図りつつ食料生産確保に必要なかんがい面積を徐々に広めていくことを基本戦略としています。
かんがい面積の拡大に必要な用水量を節水かんがい対策によって捻出し,その用水の総量をほぼ一定に保ちつつ,地域によっては,さらに節水効率を高めて水資源を生み出し,生態環境など他用途に転用することも基本的目標としています。
節水を実施していくためには,施設の適正な維持管理・改修による漏水の防止,適正な水管理と施設の改良による無効放流の減少,さらには,圃場における節水かんがい技術の開発・普及が必要とされています。
中国における大型灌漑区は現在402地区で,全かんがい面積の約4分の1を占めるとされており,大型灌漑区の節水改良は中国の水需給に非常に大きな影響をもたらします。
中国政府から日本政府に,大型灌漑区における節水かんがい支援のための技術協力の要請があり,JICAプロジェクト方式技術協力「中国大型灌漑区節水かんがいモデル計画」が2001年6月から5年間の計画で開始されました。中国灌漑排水発展センター(北京)が実施機関となり,社会条件,気候条件などの違いから選定した3つの重点モデル灌漑区(甘粛省景泰川電力提灌漑区,陝西省ジン恵渠灌漑区,湖南省双牌灌漑区)を中心に活動しています。
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
重要なお知らせ
こちらのページも読まれています
同じカテゴリから探す