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本位置図は国土地理院長の承認を得て、同院発行の五万分一地形図を複製したもの(国土地理院承認番号 平15東複第379号)を宮城県で編集したものです。
伊里前川流域では,昭和52年9月の台風11号により浸水家屋6戸,浸水農地3.19ha,昭和56年9月の豪雨により,浸水家屋48戸,浸水農地30.7ha,被害総額113.5百万円等の大きな被害を受けています。
払川ダムでは,洪水時のダム流入量70立方メートル/秒のうち52立方メートル/秒をダムに貯留して,残りの18立方メートル/秒を放流します。これにより,伊里前橋地点の洪水流量が200立方メートル/秒から150立方メートル/秒に低減されます。
伊里前川の水利用は古くから行われており,特に,沿線に点在している耕地のかんがい用水として利用されています。かんがい用水は,25.1haの耕地に対して,22ヶ所の取水施設により最大0.192立方メートル/秒の取水を行っています。
払川ダムから計画的に放流することで,伊里前川に生息しているアユ・ヤマメ等が生息できる最低限の河川流量を確保するほか,人目によく触れる橋などの構造物から見える場所で,人が水量感を覚える河川流量を確保するなど,河川の環境を保全し,また,田畑で安定した取水ができるようにします。そのためには、中在橋地点で0.08立方メートル/秒を確保しなければなりません。
南三陸町歌津地区(旧歌津町)では,給水人口は減少しているものの,井戸水から町水道への転換,生活様式の向上,下水道の整備,第1次産業から2次・3次産業への転換等により水需要が増大することが予想されており,新たな水源の確保が望まれています。
平成9年度の河川法改正により河川整備の新たな計画として「河川整備方針」,「河川整備計画」を策定することになったことから,払川ダムの建設に先立ち伊里前川についてもこれらを策定することになりました。策定の手続きとして,学識経験者の意見聴取及び地域住民の意見を反映させるために必要な措置や地方公共団体の町の意見聴取が必要であることから,河川整備計画の客観性,透明性を持たせるため「三陸水系流域委員会・歌津地域委員会」を3回開催した他,地域住民のみなさん方が参加した「伊里前川河川整備計画策定に係る意見交換会」を開催しました。
委員会や意見交換会の中で出された貴重なご意見、ご提言につきましては,今後のダム事業を進める上での参考とさせていただくことになります。
河川整備方針及び河川整備計画は、平成12年度に国より同意されました。
払川ダムの建設に際して実施された環境影響調査の結果,ダム建設予定地周辺には,貴重な動植物が生息していることがわかりました。その主なものとしては、植物では,キンラン・キキョウなどが,動物では,ニホンカモシカ・ミサゴ・ハイタカ・ハチクマ・オオムラサキなどの生息が確認されました。
これらの貴重な動植物のうち、キンランやキキョウについては工事の影響がない場所への移植を行うほか,ミサゴやハイタカ等の営巣が確認された猛禽類については繁殖状況を定期的に把握しながら,発破作業などの繁殖に及ぼす影響が大きい工種については,繁殖過敏期を避けて実施することとしています。
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