宮城県育成せり新品種「Re14-4(りじゅうよんのよん)」
宮城県育成せり新品種「Re14-4」親株配布について
宮城県農業・園芸総合研究所で育成したせり新品種「Re14-4」の親株配布を行います。
令和6年度「Re14-4」親株配布の概要
- 配布対象者
宮城県内の農業者及び農業者が組織する団体等(せり生産者及びこれから栽培を開始する農業者等)
- 配布予定時期
令和6年9月中下旬
- 配布価格
1株850円(税別)
※配布親株の状態は,9cmポットに親株1株植えです。
- 配布予定株数
約100株
希望多数の場合,配布株数を調整させていただく場合もありますので御了承願います(詳細は配布可否の通知と併せて送付します)。
配布希望調査について
配布できる親株の数量に限りがあることから,令和6年度までは,事前に配布希望調査を行います。
- 希望調査方法
以下の「希望調査表」に必要事項を記載の上,御提出願います。
- 「希望調査表」提出先及び提出期限
提出先:宮城県農政部園芸推進課宛て郵送または電子メールで提出
住所宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号
E-mailengei-shinko@pref.miyagi.lg.jp
提出期限:令和6年8月16日(金曜日)必着
- 提出後の流れ
8月下旬頃配布可否の通知(県園芸推進課→配布希望者)
9月上旬頃申請書及び使用計画書の提出(配布希望者→県農業・園芸総合研究所)
9月中下旬頃親株の配布(県農業・園芸総合研究所→配布希望者)
- 注意点
・種苗法の改正により、令和4年4月1日から宮城県登録品種等の増殖には宮城県の許諾が必要です。配布を受けたせり(Re14-4)親株を次期収穫物の生産のため自家増殖する場合には、手続きが必要となります。
※生産者が組織する団体として親株の配布を希望する場合(団体内の代表者が親株の増殖及び種せりの生産を行い、団体内で販売・譲渡を行いたい場合)は、別途ご相談願います。
- その他
・親株の購入・配布後は、県が実施する調査(自家増殖の実施状況及び予想収穫量等の調査)に御協力願います。
令和7年度以降の対応について
せり新品種「Re14-4」の親株苗の配布について、令和6年度は上記のとおり配布希望調査を実施しますが、ここ数年は配布希望数が配布可能数を下回っており、配布数の調整が必要なくなってきていることから、令和7年度以降は配布希望調査を実施しないこととします。
令和7年度以降に配布希望がある場合は、当該年度の8月末までに県農業・園芸総合研究所に配布申請書及び使用計画書を提出してください。
宮城県園芸作物原種苗等配布要綱(PDF:275KB)
(様式)配布申請書、使用計画書、受領報告書(ワード:56KB)
「Re14-4」の特徴について
県内で栽培されている「島根みどり」系統や過去に県が育成した「みやぎVWD1号」よりも,1株1株が太くて重く,歩留まりが良いことが特徴です。また,1株1株は太いものの,食感は柔らかいため,定番のせり鍋だけでなく,おひたし等にも適しています。
令和2年から順次,親株を宮城県内せり栽培者(県内農業者)を対象に配布しており,30名(生産者団体含む)が栽培しています(令和3年3月時点)。
育成の背景・ねらい
近年,せり鍋等の秋冬期需要が全国的に高まっていますが,県内産地では生産者の高齢化や農地周辺の宅地化等により,栽培面積が減少しています。そのため,品質が良くて単位面積当たりの収穫量が多く,収穫・出荷作業等が省力的な品種の開発を行いました。
育成経過
「Re14-4」は、宮城県農業・園芸総合研究所で育成しました。平成26年~27年に、「島根みどり」(名取市で主に栽培されている品種)由来の培養変異個体(約400個体)の中から優良な個体(系統)を選抜し,現地適応性の検討の結果,令和2年3月30日に品種登録出願しました(6月29日に出願公表。出願番号34599号)。
品種特性
野菜としての特徴
- 茎が太くなりやすく,1株が太くて重いです。
- 食感は柔らかく、苦みは少ないです。
- 株元まで鮮やかな濃緑色です。
栽培面での特徴
- 草丈は慣行品種よりもやや短いですが,適正な時期に植え付けを行うことで県内主産地における出荷規格(25~30cm)以上の草丈を確保できます。
- 晩生品種で,慣行品種よりも1週間程度遅く収穫時期を迎えます。
- 調製後重量(kg/平方メートル)が慣行品種より重く,廃棄率は慣行品種よりも低いことから,単位面積当たりの収量増加と作業性の向上が期待できる品種です。
- 分げつ(茎の分岐)やランナー(匍匐茎)の発生が少なく,収穫時の調製作業が容易です。
一方で,夏場増殖時のランナー発生量も少ない傾向があります。
- 葉色(SPAD)は,現地慣行品種より濃い緑色で,宮城県農業・園芸総合研究所内の栽培ほ場や現地適応性試験ほ場では,冬場のアントシアニンの発生等はみられませんでした。
「Re14-4」の利用承諾と県外での栽培及び海外への持ち出し制限について
現在,「Re14-4」の栽培は,県内限定としていることから,利用承諾は県内農業生産者団体等に限って実施しています。
そのため自家増殖(自己の生産に用いるための苗を増殖)を除き,利用承諾契約を締結した団体以外では,「Re14-4」を増殖・譲渡することはできません。
なお,「Re14-4」など宮城県が育成者権者である登録品種及び登録出願中の品種は,すべて海外持ち出しを禁止しています。
※令和3年4月1日現在の登録出願品種(「にこにこベリー」,「Re14-4」等):令和3年4月9日付け農林水産省告示第五百十三号
※令和3年4月1日現在の登録品種(「もういっこ」,「サワールージュ」等):令和3年4月9日付け農林水産省告示第五百十一号
利用承諾から「Re14-4」親株配布までの流れ
- 利用承諾の承認
- 利用承諾を希望する団体は,当課野菜担当までお問い合わせ下さい。
- 利用承諾のお申し出は随時受け付けていますが,利用承諾の可否については,年に2回開催される宮城県育成園芸品種検討委員会(以下,検討委員会)で判断させていただきます。
- 検討委員会での審査結果により,条件を付与させていただくことがあります。
- 利用承諾契約の締結
- 検討委員会での承認後,宮城県と利用承諾契約の締結が必要です。
- 利用承諾契約の締結は,宮城県経済商工観光部新産業振興課新産業支援班(電話022-211-2722)が担当しています。
- 親株配付申請
- 親株の生産・配布は,宮城県農業・園芸総合研究所野菜部露地野菜チーム(電話022-383-8124)が担当しています。
- 親株の提供時期は,9月頃の予定です(お申し出時期によっては当該年度に配付できない場合があります)。
種苗法改正に伴う登録品種の表示義務化への対応
改正種苗法が令和2年12月に成立し,令和3年4月から順次施行されます。
このうち,令和3年4月1日から登録品種の種苗を業として譲渡する場合や,販売のための広告の際に以下の表示を付すことが義務化されました。
1.表示しなければいけない事項
- (1)登録品種であること(「Re14-4」は品種登録後,該当)
- (2)海外持ち出し制限があること
- (3)国内栽培地域の制限があること(「Re14-4」は種苗法に基づく国内栽培地域の制限を行っていないため,該当しない)
2.表示対象
- (1)譲渡(販売)する種苗又はその種苗の包装
- (2)広告(販売するためのポスターやパンフレット,種苗カタログ及びカタログを兼ねた注文票,インターネットサイト販売時等)
3.表示方法
- (1)(参考)登録品種である旨の表示(以下のいずれかを記載)(「Re14-4」は品種登録後,該当)
- 「登録品種」の文字
- 「品種登録」の文字及びその品種登録の番号
- PVPマーク
※PVPマークは以下の農林水産省ホームページからダウンロードできます。
農林水産省ホームページ(外部サイトへリンク)(農林水産省)
- (2)海外持ち出し制限がある旨の表示(以下のいずれかを記載)
- 「海外持出禁止(公示(農林水産省ホームページ)参照)」の文字
- 「海外持出禁止(農林水産大臣公示有)」の文字
- (3)(参考)国内栽培地域の制限がある旨の表示(以下のいずれかを記載)(「Re14-4」は種苗法に基づく国内栽培地域の制限を行っていないため,該当しない)
- 「△△内のみ栽培可(公示(農林水産省ホームページ)参照)」の文字
- 「△△内のみ栽培可(農林水産大臣公示有)」の文字
具体的な記載例などの詳細は,農林水産省作成のパンフレットを御覧ください。
種苗法改正による表示義務化パンフレット(PDF:635KB)